人類初の宇宙ホテル開業…12日間で10億円、絶景の地球を堪能、ネットも利用可
滞在中のアクティビティは、ホテルの窓から毎日16回見られる日の出を楽しめるほか、植物栽培実験や元宇宙飛行士のスタッフによる貴重なレクチャーを受けることができるなど、さまざまな宇宙飛行士体験プログラムが用意されています。また、地球に戻ったときの盛大な「おかえりなさいレセプション」も準備され、宇宙旅行認定証や宇宙空間で栽培された宇宙野菜などが贈られます。
オーロラ・ステーションは、同じユニットを順次打ち上げて拡張することでひとり当たりのコストを下げています。さらに、購入が可能なコンドミニアム仕様のユニットを打ち上げ、自分の部屋を宇宙空間に所有できるようにする構想もあります。
数千万円で宇宙旅行が可能に?
アメリカや中国のスタートアップ企業のなかには、ビジネスターゲットを宇宙観光旅行に据える企業が続々と登場しており、そのアイデアは実に多様です。
たとえば、アメリカのヴァージン・ギャラクティックという企業は、宇宙空間で宿泊はせず、観光バスの車内観光のように宇宙空間に行って景色を見たり無重力を体験したりするプログラムに限定することで、数千万円で宇宙旅行を提供しようと考えています。
また、国際宇宙ステーションに民間人用の宿泊モジュールを追加するアイデアを持つ企業や、レストランやアトラクション施設などを備えた複合観光施設型の国際宇宙ステーションを自力で打ち上げる構想を持つ企業もあります。
日本が積極的に取り組んでいるロケットや衛星の打ち上げ、データ提供型の宇宙ビジネスはもはや価格競争になっていますが、世界の超富裕層をターゲットにしたプレミアムな宇宙旅行市場は、今まさにテイクオフしようとしているのです。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 環境安全部製品安全グループ グループリーダー)
【参考資料】
「BOOK AND BED TOKYO」
「変なホテル」