ビジネスジャーナル > ライフニュース > ダイエット提唱者の死から学ぶこと
NEW
南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

「世にも美しいダイエット」提唱者の死から、私たちが学ぶべきこと

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
「世にも美しいダイエット」提唱者の死から、私たちが学ぶべきことの画像1「Getty Images」より

 本連載前回記事で、無料のメールレッスンを始めたことを報告したところ、多くの方々から申し込みをいただき、なんと850名様を超える方がメールレッスンをご受講くださっています。たいへんありがたく思うとともに、これだけ多くの方々が食に関心を持っているということがわかり、とても心強く感じます。一昔前とは、関心の度合いも違ってきているのだと実感しています。

 食事のあり方というのは千差万別で、筆者はいろいろあっていいと基本的には思っています。その人その人の考え方に基づいて、自分で食べるものを選択するのであれば、それでいいと思うのです。

「世にも美しいダイエット」提唱者の死から、私たちが学ぶべきことの画像2

 筆者自身も、自分の考えに基づいて、まずは自分で実践し、同じように家族にも実行してもらい、次に親しい友人にも試してもらうというようにして、その都度、間違いがないことを確認したうえで、多くの方々にメールレッスンを通じて広めているわけです。

 そのプロセスで、「この方法は明らかに間違っているので、やらないほうがいい」と思えるものに関しては、注意喚起をしてきました。その最たるものが、もう20年以上も前に一世を風靡した「世にも美しいダイエット」です。栄養学的にまったく間違った認識と方法で、脂肪の摂り方、炭水化物に関する理解、動物性たんぱく質の意味、すべてがあまりにも偏った見方だったので、苦言を呈していました。

 筆者は、「こんなことを続けていると、そのうち死人が出るぞ」と、強い言葉で戒めていましたが、当時は一介の飲食店経営者というだけの立場だったので、今と比べると筆者自身に影響力はなく、話を聴いてくれたのは、その飲食店に来てくださったお客様だけでした。言うのも虚しい、という感じでしたが、そのダイエットに関しての批判的な意見だけは、言い続けておりました。

 そして驚いたことに、そのダイエットを提唱していたご本人が突然、お亡くなりになるという最悪の事態をひきおこし、それを機に当該ダイエット法は下火となり、今では知っている人も少なくなりました。もう実践している人もいないでしょう。

 これは非常にショッキングな出来事でしたが、間違った食習慣を長きにわたって続けていると、体力を失うとか、抵抗力が落ちるといったことだけではなく、ひいては生命の危機にまで及ぶこともあるということを多くの方々に知っていただきたいのです。私たちが食べるものが、いかに大事であるかということの証左だろうと思うわけです。生命の危機にまで至らなかったとしても、間違った食習慣は、あらゆるところで私たちの体になんらかのかたちで影響を及ぼし、ネガティブな事態を引き起こしているということは、私たち自身が承知しておかなければならないことだと思います。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

「世にも美しいダイエット」提唱者の死から、私たちが学ぶべきことのページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!