テニスのウィンブルドン選手権やサッカーのワールドカップに沸いた7月。トップレベルに立つプロスポーツ選手のプレーに見入った人は少なくないだろう。
トップに立つスポーツ選手たちの習慣や行動はそれだけで一冊の本になり、ベストセラーになることもある。しかし、ハイパフォーマンスを維持し続けていられる理由には、それだけでは説明できない部分もあるだろう。では、勝てるプレーヤーと負けるプレーヤーはどこが違うのだろうか?
トッププレーヤーたちが見せた共通の行動とは
元パラリンピックの銀メダリストであり、現在はリーダーシップの専門家として知られるボニー・セント・ジョン氏は「回復」――それも「こまめな回復」に注目する。
そのヒントはプレーとプレーの間にあった。たとえば、得点が入ってからベースラインまで下がったり、ゲームとセットの合間にコートサイドに出たりするときに、共通してよく似た行動を取っていたのだ。
彼らはその細かな時間のなかで、エネルギーの回復とポジティブな集中力の維持を図っていたのである。実際、トッププレーヤーに心拍数モニターをつけてもらったところ、彼らはランクの低いプレーヤーより素早く効率的に理想的な心拍数に戻すことができていたという。
ボニー氏のチームはレーヤー博士の発見をビジネスに応用し、小さな回復法を「マイクロ・レジリエンス」と名づけ、働く現場で活用できる「5つのフレームワーク」に落とし込み、『心を休ませるために今日できる5つのこと』(集英社/ボニー・セント・ジョン、アレン・P・ヘインズ著、三浦和子訳)にまとめた。
その5つのフレームとは次の通りだ。
1.脳の使い方を切り替える(リフォーカス)
2.原始的な恐怖をリセットする(リセット)
3.思考のクセを見直す(リフレーム)
4.体をリフレッシュする(リフレッシュ)
5.心を活性化する(リニュー)
これを日常のなかでこまめに実践するのが、「マイクロ・レジリエンス」の特徴である。本連載では、この一つひとつの実践方法について紹介していくが、もちろんこれ「だけ」をやればすべてがうまくいくというわけではない。「マクロ・レジリエンス」――つまり、「食生活を正す」「運動をする」「たっぷり睡眠を取る」といったことと共に実践すれば、「マクロ」と「マイクロ」の双方で効果を強め合うことができる。
また、「マイクロ・レジリエンス」は生活を変えるものではない。しかし、少しずつ実践していくことで自ら変えようとする力が芽生えてくるはずだ。これから、仕事と仕事の合間も常に緊張しっぱなしの日々にサヨナラをするための方法をお伝えしていく。ぜひ、みなさんも実践してみてほしい。
(文=編集部)
※本記事はPR記事です。
『心を休ませるために今日できる5つのこと』 ハイペースな現代の生活の中で、疲れ切った頭と心を抱える私たち。燃え尽きそうになる前に、小さな工夫を少しずつ実行することで、心を休ませて、自分が持つ能力を最大限にいかすのが、この本で紹介する「マイクロ・レジリエンス」のテクニックだ。著者ふたりが困難を乗り越えるのに役に立った方法をまとめて、何千人という人たちにインタビューし検証と修正を重ね、誕生した。