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土橋克寿「つくり手の鼓動」第4回

フィリピンの“すごい”英会話学校の裏側〜3カ月でTOEIC点数200点アップ!?

文=土橋克寿
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フィリピンの“すごい”英会話学校の裏側〜3カ月でTOEIC点数200点アップ!?の画像1セブ最大級のショッピングモール・アヤラ

 2013年4月にフィリピンで開校したサウスピークは、「3カ月でTOEICの点数が200点上がる」と掲げた語学学校である。校舎は、セブ最大級のショッピングモール「アヤラセンターセブ」の徒歩圏内。設立から間もないが、セブで人気を集める語学学校の1つだ。その理由は、他校では見られないカリキュラムにある。同校の特徴の1つが「日本で販売されている英語学習書」を使って学ぶ点である。日本の英語学習書の多くにはCDが同封されているため、復習の効率が良くなる上に、入学前から予習も行える。

 そしてもう1つは、予習・復習を行う自習時間が長い点である。自習学習を4~6時間と長く、マンツーマンレッスンを2~3時間と短く設定した。学習の流れとしては、英語参考書で英語を学ぶ(Plan)、学んだ英語を実践する(Do)、フィリピン人に英語が正しいかどうかを確認してもらう(Check)、フィリピン人に指摘された点を踏まえて、復習と次回レッスンのための予習を行う(Action)というPDCAサイクルを意識した構成だ。塾長の柴田浩幸は「優秀なアメリカ人・イギリス人が製作した英語参考書を使用して自習学習で英語を学ぶ。その学んだ英語が通じるかどうかを、アメリカ映画を字幕なしで観ているフィリピン人に確認してもらう」と話す。学習の目安や効果を数字で明示したり、生徒各々の仕事を絡めたスピーキングの機会を設けた点も評価され、ビジネスマンからの人気が特に高い。

 さらにフィリピン・セブでは、セブ初のコワーキングスペースAJITOや、学校で学べない子供たちにオーケストラで教育を行うNPO法人セブンスピリットが始動している。両者とも日本最大級のクラウドファンディング(※編注 インターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、趣旨に賛同した個人・法人が資金提供すること)「キャンプファイヤー」で資金を募り、プロジェクトをスタートさせた。AJITOのプロジェクトが成立したのは13年4月。この支援を基につくり上げたコワーキングスペースは、機能性の高い機器や最適な通信環境を整え、数時間の個人利用から、会社本店として登記することや、打ち合わせに使用といった企業利用も可能としている。さらに、「アジア海外就職フェア」や「トークライブ」などのイベントを定期的に開催し、積極的に情報交換の場を創り出している。AJITOを運営するユナイテッド・リグロースの取締役・鈴木光貴は、「ここを日本とアジアを繋ぐゲートウェイにしていき、アメリカやアフリカへと旅立っていく人々を応援したい」と語る。

 また、セブンスピリットが防音スタジオを完成させたのは13年1月。ストリートチルドレンへ音楽教育するための場として、子供たち一人ひとりにリコーダーやピアニカを渡し、約30名で毎日2時間ほど合奏している。ここに集まる子供たちの多くは、学校へ通えているが、それでも物売りや物乞い、荷物持ちのチップ稼ぎを続けている。お小遣い稼ぎをしないと、学校へ通い続けられない状況だ。プロジェクトディレクターの野口彰英は「困っている子供たちは大勢いるので、もっと門戸を広げていきたい。『音楽が楽しい』という感覚と同時に、『皆で知恵を出し合う』という分業の文化を教え、チームワークを育みたい」と話す。

 フィリピンの人口は約9700万人。平均年齢23歳、人口構成はきれいなピラミッド形を形成している。公用語として英語が使われ、全人口の9割以上が英語を話せる。50年の世界経済規模ランキング予測(HSBC調べ)によると、フィリピンは10年から27も順位を上げ16位となり、GDPが東南アジア最大になる見込みだ。この、若さ・成長性に満ち溢れた地で、新たな挑戦がフィリピン・セブをさらに盛り上げている。次回連載では、セブ滞在をより快適に楽しむための情報サイトについて紹介する。

土橋克寿

土橋克寿

ramyu代表

1986年生まれ。大手証券会社、経営誌の副編集長を経て、2013年3月に独立。現在は東南アジアや米西海岸で活動しながら、複数メディアへ寄稿を行う。ブログ「Build Something!」では、メイカームーブメント(世界のモノづくり)について執筆中。

Facebook : 土橋 克寿

株式会社クロフィー

Twitter:@dobatty

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