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2023.07.04 23:33
2018.12.12 11:00
中西貴之「化学に恋するアピシウス」
地球の平均気温2度上昇で夏、連日40度超えの恐れ…日本政府、温暖化抑制戦略策定へ
いぶき2号の目ともいえる一酸化炭素・二酸化炭素・メタンのセンサーは、カメラでいえば広角レンズと望遠レンズを同時に使えるような高機能になっています。広角レンズでは、500km四方につき二酸化炭素で0.00005%(0.5ppm)、メタンで0.0000005%(5ppb)の精度で観測が可能です。望遠レンズとして使用すると、特定地点をピンポイントで測定でき、工業地域や人口密集地域など、温室効果ガスを大量に排出していると考えられる地点を高精度で観測できるため、今後は「あの工業地域からこれだけの二酸化炭素が出ている」という評価が可能になり、二酸化炭素の発生源を特定することさえできます。
一酸化炭素は2号で新たに追加された観測ガスです。二酸化炭素は人類の活動だけでなく、自然界の動植物の呼吸によっても放出されています。一方で、一酸化炭素は産業活動で放出されますが、動植物の呼吸では放出されません。そこで、一酸化炭素と二酸化炭素を同時に計測することによって、人間の活動が原因となる二酸化炭素の排出量の推定を目指します。
いぶき2号の活動によって、病みつつあるこの地球を美しいまま次の世代に引き継ぐために行った私たちの取り組みを評価・検討するに必要なデータが提供されることが期待されています。
(文=中西貴之/宇部興産株式会社 品質統括部)
【参考資料】
『温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)』(JAXA)
『宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、WMAP、スターダスト、はやぶさ、みちびきまで』 地球の軌道上には、世界各国から打ち上げられた人工衛星が周回し、私たちの生活に必要なデータや、宇宙の謎の解明に務めています。本書は、いまや人類の未来に欠かせない存在となったこれら人工衛星について、歴史から各機種の役割、ミッション状況などを解説したものです。
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