コロナ禍で迎えた2度目の年末年始。オミクロン株の感染拡大が懸念されたこともあり、今年も“巣篭もり正月”を過ごし、家でゆっくりとお節(せち)や餅をつい食べすぎてしまい、正月太りや胃が重いといった方も多いのではないだろうか。そんな体をリセットするのが、1月7日の「七草の日」である。
近年、七草の日にはコンビニエンスストアなどでも七草粥が販売されており、七草粥を食べることは新年の行事のひとつとして定着しているが、その風習は、はるか昔から行われてきた。古代中国では1月7日は「人日(じんじつ)の日」とされ、「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という汁物を食べ、無病息災・立身出世を願ったといわれる。その風習が平安時代に日本に伝わり、当初は宮中行事として行われていたが、鎌倉時代には七草粥を食べるようになり、江戸時代には庶民の間へ広まり、現代まで受け継がれている。
七草は一般的に、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロが使用される。ただし、地方によって食材には違いがあり、呼び方にも差異がある。
七草粥は薬膳料理であり、正月料理や祝酒で疲れた胃腸を癒し、新しい年へと体を整える効果が期待できる。主な成分と効果は以下の通りで、それぞれに健康効果が高いことがわかる。
正月料理は高カロリーで高脂質、さらにはプリン体を多く含むものもあり、体重増加のみならず、糖尿病、高脂血症、痛風などの生活習慣病を招く危険もある。また、最近では胃腸の健康が全身の健康につながるといわれ、検査等で異常がない場合でも胃腸が疲れていると、なんとなく不調を感じたり、気持ちが落ち込みやすくなるなど、さまざまな症状が起きる可能性があることがわかっている。
正月疲れの胃腸を放置せず、七草粥で健康な一年となることを願ってはいかがだろうか。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)