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川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

流行りの「体に良い油」の罠…太る油の摂り方、太らない油の摂り方

文=川端理香/管理栄養士

 ですから、油からの余計なエネルギーを抑えるには、肉料理を食べるときにはサーロインよりもヒレなどの部位を選んだり、皮などを避けるだけでだいぶ違います。また揚げ物の場合は上手に種類を選びましょう。

 さてここまでが一般的な油を摂り過ぎないための食事のお話です。

肉の油、魚の油

 では次に、最近摂ることが勧められている油のお話をします。

 実はカラダに良いといわれている油は、すべて「オメガ3」です。油は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分けることができます。簡単にいえば飽和脂肪酸は肉に含まれる油で、不飽和脂肪酸は魚に含まれる油です。オメガ3は不飽和脂肪酸のひとつです。

 ですから多くの人が思っている、「体にとって肉の油は良くない、魚の油は良い」というイメージは半分は当たっています。

 肉の飽和脂肪酸は多く摂り過ぎると悪玉コレステロールが増加して、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが増加します。健康診断などの血液検査でLDLコレステロール値が高い人は、飽和脂肪酸は摂り過ぎないようにしましょう。

 ただ、ここで間違えないでほしいのが、LDLコレステロールが高い人は、肉そのものがダメなのではなく、肉の脂身が原因だということです。肉は先ほど紹介した、脂身が少ないヒレやもも肉を選ぶ、もしくは皮は摂らないなどの工夫をすればよいのです。

 そして、ココナッツオイルに多く含まれている油も、実は飽和脂肪酸だったのです(もちろん飽和脂肪酸にもさらに種類があり、このお話は第3回にて)。
 
 また体に良いイメージのある魚の油も、摂り方によってはマイナスになることがあります。魚の油はEPAやDHAです。「魚を食べると頭がよくなる」という歌がありましたが、これは魚そのものではなく、DHAのことでした。EPAも魚の油ですが、こちらは心筋梗塞などのリスクを下げる脂質です。ですが、どちらも加熱に弱く酸化しやすいのです。

 もうおわかりですね。魚の良い油は焼き魚よりも刺身のほうが摂れるわけです。とはいえ、焼き魚が食べたいこともあるでしょう。その場合は、焼いたらすぐに食べるようにするのです。良いアブラのEPAやDHAは、加熱や酸化に気をつけることが摂り方のコツです。

 次回ももう少し、体に良い油のお話をします。
(文=川端理香/管理栄養士)

川端理香/管理栄養士

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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