新年度が始まり、長年使ってきたビジネスバッグを新調しようという人もいるだろう。毎日仕事で使うものだからこそ、お気に入りのアイテムを見つけたいところだ。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」では、ビジネスシーンでも使えるカバンを多数取り揃えている。だが、なかには実際に使ってみると思わぬ落とし穴がある商品も存在する。そこで今回は、買うと後悔しそうなビジネスバッグ5つを独断で選んでみた(各種情報は調査時点)。
<SONNE×MENS BIGI>ビジネスリュック
ドイツの質実剛健なモノづくりから影響を受けたレザーグッズを取り揃える「SONNE(ゾンネ)」と、モダン・ブリティッシュスタイルのファッションブランド「MENS BIGI」のコラボ商品。ビジネスでもカジュアルでも兼用できる見た目に加え、梅雨の時期でも気にせず使える撥水機能もついている。
ただ、気になるのは、内側や外側に搭載されている13ものポケットだ。そんなにたくさんあっても、十分に活用できるか不安が残る。また、リュックの前面にある大きなチャック付きのポケットは、その開閉範囲が広すぎて、何かの拍子にチャックが全開になると中身がこぼれてしまいそうだ。
サイドの小さなポケットにまでチャックの開閉部分があるのも疑問だ。サイズ的には鍵を入れるのにちょうどいいのだが、うっかり開けっ放しにしていたときのリスクが大きい。実際に使う場面を想像すると、使い勝手がいいとは言えなそうだ。
メンズ セイルクロス バックパック リュック
カジュアルな商品を多数展開する「DIESEL」のリュックサック。ヨットの帆などに用いられる「セイルクロス」という素材を使っており、防水性が抜群で梅雨の時期でも安心。ただ、ビジネスシーンには若干不向きに思われる点も……。
開口部をクルクル巻いてバックルで留めるタイプのため、荷物を一瞬で取り出すのが難しい。取引先との商談など、重要な場面で必要な書類をすぐに出せないのは難点といえる。
さらに気になるのは、前方についた透明なポケット。ZOZOTOWNの掲載画像を見ると、ちょうどカードが入るほどの大きさのようだが、定期券などの支払い機能付きカードを見せつけて歩くのは気がひける。一時若い女性の間で流行っていた、中身をあえて見せる透明なクリアバッグの要領で使うべきかとも考えてみたが、社会人男性がこのポケットに何を入れたらセンスがいいのか、正解がよくわからない。カジュアルな場面に振り切って使ったほうが賢明だろう。
本革ビジネストートバッグ
手に持つだけでシックにキマる、本革のトートバッグ。本革への憧れを抱く人は多そうだが、実は面倒くさがり屋の人には向かないアイテムといえる。
本革は水分に弱いためシミや水ぶくれが起きやすく、濡れたらすぐに乾いた布で水気をとり、形を整えて陰干しする必要がある。この手入れを怠ると色落ちや色移りにつながる可能性もあるが、多忙を極めるビジネスパーソンが帰宅後にそこまで念入りな手入れをするのは至難の業。雨が続く梅雨の時期には億劫さも増すだろう。自分のキャパシティや性格と向き合ってから購入を検討してほしい。
日本製 エシカル レザー & エココーデュラ コンビ ヘルメットバッグ ショルダーバッグ 大容量 ブランド オリジナル メンズ
オフィスカジュアルの服装に合いそうな、手持ちとショルダーの2WAYバッグ。幅45cm×高さ48.5cmで底マチもあり、大容量なので、パソコンや資料などの荷物がかさばる日はもちろん、アウトドアなどのプライベートなシーンでも使い回せる。
だが、冷静に考えると、カバンの高さ48.5cmというのは本当に使いやすいのだろうか。というのも、日本人男性の腕の長さの平均は約74cmと言われており、カバンの底にあるものを取り出すなら、二の腕あたりまでスッポリと突っ込まなければならないのだ。説明書きを見ても内部にポケットがついているかは不明なため、ペンや鍵などの小物がカバンの中で散乱する可能性も。職場でカバンの底に手を突っ込んでガサガサ漁るという、ちょっと印象の悪い姿を晒すことになるかもしれない。
TRION トライオン レザー マチなしリュック ビジネス B4 16インチPC対応
カバンの中にだいぶ前の資料を入れっぱなしにしたり、お菓子のゴミをグチャグチャのまま放置していたり……。こんな経験に心当たりのある人は、このアイテムを使いこなすのは難しそうだ。
画像を見ても一目瞭然だが、とにかく容量が少ない。パソコンや財布、スマホといった最低限の装備でいっぱいになってしまうので、マメな整頓を心がけなければならない。それに、取引先からもらった資料など、予想外の荷物が増えたときに備えて、折りたたみタイプのバッグを忍ばせておく必要がありそうだ。
とはいえ、「仕事がデキる人は荷物が少ない」という言葉もある。「この春こそ、デキる人間に生まれ変わろう!」という気概を持っている人なら、景気づけに手を出してみるのもアリだろう。
どんなに一目惚れしたアイテムでも、実際に使うときのシチュエーションを想像したらデメリットが見えてくるかもしれない。使いやすさを兼ね備え、重宝するアイテムを探してみてほしい。
(文=清談社)