倉庫型の店舗に多種多様な商品が並ぶ、アメリカ・ワシントン州シアトル生まれの会員制スーパーマーケット「コストコ・ホールセール」。842もの倉庫店(2022年10月27日現在)が世界各国で展開されており、その会員数は約1億1890万人にも上る(2022年8月8日現在)。
コストコは、商品をフォークリフトで店内に運び、パレットに載せたままの状態で販売するというスタイルで、そうして商品管理や陳列にかかるコストを抑えることで、高品質な商品を低価格で提供しているのである。
そんなコストコ、大容量かつクオリティの高い食品が勢ぞろいしているが、なかでも「ディナーロール」(税込498円)は36個入りというボリュームにもかかわらず、ワンコインでお釣りがくるというリーズナブルさで人気を博す定番商品。コスパの良さからリピーターも多く、数多くのインフルエンサーがSNSで紹介しているのだ。
しかし、一部の購入者からは「パンがパサパサだった」「味が飽きる」という声もあがっている。そこで今回は、コストコのディナーロールを購入し、アレンジレシピを用いて調理。アレンジしたことによって美味しくなるか、検証していきたい。
「揚げパン」:外はサクッ、中はもっちりふっくらとした食感
まずは、何も調理していない状態のディナーロールを食べてみることに。コストコのディナーロールは手の平におさまるサイズ感で、大人から子どもまで食べやすそうな印象があるが、味はどうなのだろう。
食べてみると、確かに何もしていない状態だとパサパサとした食感で、もっちりとしたふわふわなパンが好みの人には合わなさそうだ。さらに、かなりシンプルな味であるため、毎日食べていると飽きてしまうという声が出るのも頷ける。
では、さっそくアレンジレシピを用いてディナーロールを調理していこう。最初に作るのは、学校の給食の定番である「揚げパン」だ。今回は、さまざまなレシピを紹介しているサイト「Cookpad」に掲載されていたアレンジ方法で調理していく。用意するのは以下の材料だけ。
・ディナーロール(揚げたい分だけ)
・油(適量)
・砂糖、きな粉(お好み)
作り方は非常に簡単で、まずディナーロールを180℃の油で揚げ、全体にきれいな揚げ色がついたら完成だ。筆者は少し焦がしてしまったが、揚げている最中はクルクルと動かしながら揚げると、焦がすことなく作ることができるだろう。
食べてみると、表面のサクッとした食感と焼きたてのようなふっくらとした食感が非常に美味しかった。揚げたままでももちろん美味しいが、砂糖や「きな粉」をかけて食べると、まるでベーカリーに並んでいるような味が楽しめるのも魅力のひとつである。大量にあるコストコのディナーロールに飽きてしまった場合、重宝しそうなシンプルアレンジといえる。
「フレンチトースト」:じんわりした甘さとしっとり食感が絶妙
次は朝食やデザートにぴったりな「フレンチトースト」。参考にしたレシピは、同じく「Cookpad」だ。用意する材料は以下のとおり。
・ディナーロール(使いたい分だけ)
・卵(2個)
・牛乳(200~300cc)
・砂糖(大さじ2)
・塩(少々)
・油かバター(適量)
・はちみつ or メープルシロップ(お好み)
作り方は、まずディナーロールを横向きに半分に切っておく。次に「卵(2個)」「牛乳(200~300cc)」「砂糖(大さじ2)」「塩(少々)」を混ぜ合わせ、ディナーロールを浸す。続いて、フライパンを温めて油またはバターを引き、片面に焼き色がついたらひっくり返して両面を焼く。最後に、はちみつやメープルシロップをお好みでかければ完成だ。
食べてみると、じんわりと甘さが口に広がり、一般的なフレンチトーストのようなしっとりとした食感が楽しめた。何も調理しない状態のパサパサ感もなくなり、ディナーロールのアレンジとして最適な方法のように思える。はちみつやメープルシロップ以外にも、ホイップクリームやチョコレートソースなども合うので、ちょい足しでバリエーション豊かなフレンチトーストが楽しめるだろう。休日の朝など、ゆっくりと時間が取れる日にこのフレンチトーストアレンジを試してみれば、ちょっとおしゃれなブレックファーストが満喫できるはず。
「トースト」:ポテンシャルが高いからアレンジの可能性広がる
最後に紹介するのは、スタンダードな「トースト」として食べる方法。こちらは情報サイト「aumo」の「コストコのディナーロールの賞味期限やアレンジ方法!値段と美味しさ」という記事を参考にさせてもらった。トーストにするのならば労力はほとんどかからないだろうが、はたして味はどうなのだろうか。
まずディナーロールを半分に切り、トースターで表示時間に沿って焼く。今回焼き上がったディナーロールには「こしあん」を乗せて食べてみることに。
いざ食べると、パンは香ばしくカリッと焼き上がっており、甘い「こしあん」との相性も絶妙だ。こしあん以外にもバターやジャムを乗せて食べるなど、アレンジ方法が豊富なのも嬉しい。
率直にいえば想定の範囲内で驚きはなかったが、良い意味で安定感のある間違いのない味なので、むしろトーストにするのをディナーロールのスタンダードな食べ方として考えてもいいかもしれない。奇をてらわないトーストという馴染みのある食べ方だからこそ飽きにくいし、手間も最小限で済むのがありがたい。
結論としていえるのは、コストコのディナーロールは温めることでふわふわになり、パサパサとした食感がなくせることがわかった。大容量でコスパの良いディナーロールはアレンジ方法が豊富で、工夫次第で飽きることないポテンシャルを持っていると思える。
ちなみにディナーロールは大容量で価格も安く、コストコのなかでもお買い得商品なのだが、量のわりに消費期限が短いこともデメリットに挙げられていた。その場合は冷凍庫で保存しておくこともできるが、冷凍しておいたディナーロールこそ、今回紹介した3つのアレンジレシピが最適なはずだ。
一部の購入者から不評なコストコのディナーロール。少しの手間をかけるだけでバリエーション豊かな食べ方ができるので、ぜひ今回のアレンジ方法に挑戦し、味の変化を楽しんでいただきたい。
(文=加藤棗/A4studio)