山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」(10月2日)
Mac、なぜ“優れモノ”レッツノートのシェア侵食?マーケ戦略でみる商品力
文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
最近のビジネスシーンでは、アップルのモバイルPC「MacBook Air」を使っている人を頻繁に見かけるようになった。数年前までは、パナソニックの「Let’s note(レッツノート)」が圧倒的多数を占めていたし、Macは一部の例えばクリエイティブ職に携わるような人が愛用する傾向が強かった。
今回はモバイルPC市場と消費者の意識はどう変わったのか、マーケティングの視点から分析してみよう。
●商品の価値= 物質的価値 + 情緒的価値
商品の価値とは、「物質的価値」と「情緒的価値」という2つの評価で形成される。物質的価値とは、形や容量、内容や機能、材質など商品そのものや提供される物質的な効果のこと。一方の情緒的価値とは、イメージや気持ち、感情、満足感など、商品を見たり使ったりすることで感じる消費者の精神的働きをいう。