ビュッフェスタイルのレストランは相変わらず人気である。食事時に訪れると、長蛇の列ができていることも多い。テレビの情報番組や情報誌などでは、頻繁にビュッフェの特集が組まれており、一流ホテルにあるレストランの中でも、プライドをかけて高品質の料理を提供するなど、激しい競争が繰り広げられている。
しかし、多くの客が入っていても、原材料の高騰や客の要求の多様化などによって、苦戦する店が増えており、業態転換する店も出始めている。以前は、ビュッフェスタイルというだけで多くの客が訪れていたが、今では食材の品質や味、種類の多さ、デザートの充実などが求められるようになった。
また、独自性を打ち出すため、次のような専門ビュッフェもある。
・リコッタパンケーキ食べ放題
・タラバ、国産牛フィレステーキ、握り寿司などの高級メニュー
・タコスバー
・クッキーバイキング
・納豆食べ放題
・おでん食べ放題
・北京ダック食べ放題
・高級フレンチ
このように独自色を打ち出して多くの客を獲得している店は多いが、それでもなるべく安く高品質な料理を提供するために、原価率をどう抑えるかは恒久的課題として残っている。
そこで筆者は、品質を落とさずに原価率を下げる方法はないかと思案し続け、客の食べる量を減らす方法を模索した。多くの客は、食べ放題であるビュッフェにおいて普段の食事量よりも多く食べる傾向にある。その量を減らすことができれば、原価率は抑えられることになる。消費者の側からすると、同じ料金を支払っているのだから、「少しでも多く食べて元を取りたい」と思うところだが、満足するまで食べても結果として食べる量が減るのであれば、ダイエット中の人やカロリー制限している人にも役立つのではないだろうか。
その方法とは、以下の2つである。
●スプーンやフォーク、お皿を小さくする
まず、スプーンなどの器具(シルバー)と器を小さくすることである。摂取カロリーを厳しく制限している人でない限り、重さを量って料理を取り分けたりはしないだろう。トップアスリートや特別ストイックな人の中には、一日にご飯は何杯、味噌汁は何杯、などと決めている人がいるかもしれないが、それでも器の大きさが変われば正確に食事の量をコントロールすることは困難だ。