こうした街コンが増えれば、ブームが短命に終わってしまうのもうなずける。
●協賛する飲食店に旨味なし?
だが、堺屋氏は、ほかにも要因はあると指摘する。
「協賛店10軒以上の街コンが壊滅状態になった理由は、街コンに参加しても旨味が少ないことに、飲食店のオーナーたちが気付いてしまったからです。土日に行われる街コンは14時スタートなどが多かったのですが、これは昼間からオープンしているレストランなどであればアイドルタイムであり、夕方から営業する居酒屋などであれば開店前の時間帯。その集客が見込めない時間帯を使うということを条件に、街コン運営側は格安の金額で店舗を貸し切る約束を取り付けていました。その際、運営側は『新規顧客が獲得できますよ』『参加者が貴店のリピーターになることも期待できます』などという甘言を使い、協賛店を募っていました。もちろんその言葉は100%嘘というわけではありませんが、街コンの参加者は、その街近辺の住人というのは実は少数で、多くは遠方から来ている、普段はその街にゆかりのない人々。新宿、渋谷、池袋といった大きな街ならば住人以外もリピーターになることもあるでしょうが、知名度の低い街のお店には、よっぽど気に入らない限り二度と足を運びません。つまり、店舗の宣伝になればと格安の金額でお店を貸し出したのに、新規顧客がつかめるなどの反響がほぼないことが、徐々にバレてしまったのです」(同)
こうして街コンの形骸化が進んでいったのだという。
●男性7:女性3でも強行開催
ちなみに前述した1店舗・立食パーティー形式の街コンは現在でも多く開催されているが、堺屋氏は「今の街コンは粗悪」と断ずる。
「だいたいどこの街コンも、女性の人数に対して男性が多すぎます。開催の告知情報では男女同数をうたっていますが、男性7:女性3ぐらいでも強行開催するパターンが結構あります。これでは男性参加者は間違いなく『だまされた』と思うでしょう。ひどい場合は『男100人:女100人』とうたっておきながら、女性が50人程度しかおらず、男性は150人ほど参加しているというケースもありました。街コン文化が衰退化してきたということは、それだけビジネスとしての旨味が減少している証でもあり、運営会社は顧客満足よりも利益の確保に走ってしまっている場合が多いのです」(同)
いずれ本来の「街コン」が消えうせる日も、そう遠くはないのかもしれない。
(文=A4studio)