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「業界では次世代の高速通信規格『5G』を整備する上で、基地局から基幹網までつなぐ光ファイバー回線の不足が懸念されています。基地局を増やす場合、これまでNTT東日本・西日本が敷設した未利用の光回線を使う必要があります。何しろ、5Gには大量の光回線が必要ですからね。ところが、その回線がどこにどれだけあるのか、業界各社は把握していません。各社とも手探り状態で確保に奔走しているのが実態です。そこに食い込んでいくのは、容易ではないでしょう」
急かす総務省と動じない三木谷氏
また、一貫して強気の三木谷社長の姿勢も危惧される。総務省は楽天モバイルに対して、計画の遅れや新サービスの内容が不明な点について、これまで計3回指導している。8月26日には、同省から「十分な時間的余裕を持って、利用者に対して品質や提供エリアを含むサービス内容について情報提供するとともに、苦情・問い合わせの処理のための体制整備に取り組むこと」と強い指導を受けた。今回の会見はこの指導を受けて、渋々行われたものだといわれている。
「あれだけ指導されても、三木谷さんがまったく動じないところがすごい。携帯大手キャリア各社の各種規制緩和などは、菅義偉官房長官の旗振りで行われています。楽天の参入を急かすのは、政府が消費増税のタイミングに合わせて携帯料金を値下げさせることを目論んでいるからでしょう。これから、業界は楽天の料金プラン待ちの果てしない持久戦が続きます。狙ったのか、狙っていないのかはわかりませんが、三木谷さんはタフネゴシエーターですね」(前出の大手情報通信会社社員)
ユーザーにとって、サービスの選択肢が増えることは歓迎すべきことだ。だが政府や企業のつば競り合いで、ユーザーを翻弄するのはやめてほしい。
(文=編集部)
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