「消費者は情報爆発のなかにある」などというイメージは幻想ですし、マーケティングを実践するうえで有害なものでしかありません。私たちはむしろ情報を消費者がどのように選択して用いているか、その情報処理のやり方に学ぶべきなのです。
(文=田中洋/中央大学ビジネススクール教授)
※本論は、田中洋(2015)毎日新聞スペース「マーケティングのキーコンセプト#70 情報過多」での議論を拡張したものです。
【引用文献】
動研「企業マーケティング担当が知らないとまずい、世の中の流通情報量の話」
“Harrisburg University’s Social Media Ban Lifted, Addictions Soothed”
「意思決定」(p.12)最新心理学事典(藤永保監修) 平凡社
Jacoby, J., Speller, D. E. & Berning, C. K. (1974). Brand Choice Behavior as a Function of Information Load. Journal of Marketing Research, 11, 63-69.
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情報通信政策研究所調査研究部(2011)『我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究結果(平成21年度) ―情報流通インデックスの計量―』
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