類まれな資金収集力
そして、前出の立憲民主党関係者は、れいわ新選組の資金集めにも驚愕する。
「政治資金や選挙資金は、一般市民からカンパを募っても少額しか集まらないのが常です。だから、公党は政党助成金や企業団体献金などで活動資金を賄っています。発足したばかりのれいわ新選組は政党要件を満たしておらず、政党助成金はありません。また、地方議員の経験者もいないので、企業や団体からの献金もアテにできません。それなのに、これほど多額のカンパを集めるのですから、驚くほかありません」
政党を運営するには多額の資金が必要であり、結成したばかりの新党がすぐに消えてしまう背景には、資金繰りが難しいことが一因にある。しかし、れいわ新選組の寄付金はすでに3億円を突破。
「これでも政党の活動資金としては少ないが、大半は個人からのカンパで、ここまでの金額を集めたことには、政治を変えたいという市民の心の叫びが現れているのかもしれない」(週刊誌記者)
芸能人だった山本氏の知名度があるからこそ、多くのカンパが集まるといった指摘もあるが、そうとは言い切れないということが、実際に街頭演説に足を運ぶとよくわかる。街頭演説に集まっている人たちからは、山本氏以外の新人候補への期待の声も多く聞かれる。そして、驚くのは自民党や公明党、立憲民主党などの既存政党をはるかに上回るギャラリーを集めている点だ。集まっている支持者の熱量もハンパなものではない。
れいわ新選組は今回の参院選で旋風を巻き起こしているといわれるが、政党要件を満たしていないために、新聞やテレビでは「諸派」という扱いにとどまる。「諸派」の場合、テレビや新聞などが主催する党首討論の場に呼ばれない。また、選挙情勢を伝えるニュース番組などでも、名前を簡単に紹介するレベルでしか取り上げられない。
山本氏やれいわ新選組の選挙活動・政策は、NHKの政見放送ぐらいでしか見聞きできない。しかし、政見放送の時間は短い。政策などを詳しく知ることはできない。結局のところ、街頭演説に出向くか、HPなどをチェックするしかないのだ。
NHKから国民を守る党にも勢い
れいわ新選組と同様に、諸派でありながら話題を集めているのが「NHKをぶっ壊す」のフレーズで知名度を急上昇させているNHKから国民を守る党(N国党)だ。N国党は、今回の参院選のために旗揚げされた政党ではない。代表の立花孝志氏は以前から政治活動を続けてきた。実際、立花氏は船橋市議・葛飾区議に当選した経歴もある。立花氏のほかにも、N国党は今春の統一地方選では何人かの市議・区議を当選させている。その勢いを維持したまま参院選に突入した。