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「財務省 HP」より
日本の財政に改善の兆しは見えない。8月10日の財務省発表によると、国債、借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」は、6月末時点で3月末から3兆8663億円増加し、1057兆2235億円と過去最高を更新した。国民1人当たりでは、約833万円の借金を抱えていることになる。2015年度末(16年3月末)には、1167兆1000億円になると予測されている。
さて、国の借金の中心をなす国債は、3月末から6兆6221億円増加し、888兆1068億円となっている。その国債には多くの種類があるが、なかには“不思議な”債券が存在する。6月末時点で95兆8480億円の発行残高と、国債総発行残高の1割以上を占める不思議な債券とは「財政投融資特別会計国債」、いわゆる財投債だ。
財政投融資とは、「国の信用や制度に基づいて調達した有償の公的資金を用いて、公庫、独立行政法人・特殊法人、国の特別会計や地方公共団体に対して行う長期・低利の資金供給」のことだ。この資金を調達するために発行されるのが財投債だ。
では、財投債の何が不思議なのか。それは、国際的に統計の基準が統一され、標準化が図られている国民経済計算統計(GDP統計)などでは、財投債は国の債務とはみなされていないことだ。例えば、国際的に政府債務残高、あるいは国債発行残高を比較する場合には、財投債は除外されている。国が発行している債券にもかかわらず、国債に分類されていないのだ。
それは、財投債が公的な団体に対して融資されているためだ。融資である以上、低利といえども金利も含めて融資金が返済される。つまり、財投債は発行に際して返済のメドが立っている、または返済が保証されている国債といえる。
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