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こうした忍耐を伴う議論や対話を積み重ねてこそ民主政治は成熟していくはずだが、今のように政権側が異論に耳を傾けず、まったく妥協をしようともせず、反対派がそんな政権に「ノー」を突きつけて反目し合っている状況では、熟議は生まれにくい。結局、国会で多数の議席を持つ与党が数の力にまかせて採決し、反対派には敗北感や無力感だけが残ることになりかねない。
揚げ句に、せっかく盛り上がった政治参加の気運がしぼんでいくようでは、民主政治にとって最も重要な選挙での投票率の低調が続くことになってしまう。
今回、多くの人々が法案に強い関心を持ち、懸念や不満を抗議行動への参加というかたちで表したのは画期的な出来事だ。政治を身近に感じ、憲法や国のあり方について真剣に考える契機にもなった。若い世代が自発的に自らの政治的意見を表明する行動に参加したのも、大いに希望を感じさせた。
それが選挙での投票行動に結びつき、多くの国民が主権者としての責任を果たしていく流れにしていけるか否かは、今の運動が次のリーダーを育てたり、デモの会場に来ていない人々にも日本の未来像を考えさせるような、創造的なものに発展していくかにかかっているのではないか。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)
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