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沖縄に起こった大物ヤクザの死去、半グレ集団の拡大…沖縄県警が警戒を強めるアングラ情勢

文=沖田臥竜/作家
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半グレの活動が活発化しているとされる沖縄の歓楽街

 県内唯一の指定暴力団「旭琉會」富永清会長が7月12日に他界したことにより、弔問のために、全国各地から続々と親分衆らが沖縄県へと訪れたのは7月下旬のこと。

 幾度となく熾烈な抗争を繰り返し、2011年に組織を一本化させ、組織名を「旭琉會」にあらためた際、組織にトップに就いたのが富永会長であった。その会長の急逝とあって、必然的に浮上するのが跡目問題ということになる。だが、地元関係者らの話によれば、まもなく営まれる富永会長の49日まで喪に服し、跡目問題については話し合われることはないと言われていたようだ。

「跡目問題で過激な抗争に発展する恐れはまずないとみられているが、実力者揃いの旭琉會だけあって、何があってもおかしくない。沖縄県警では現在、その動向に警戒を強めているといわれています」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 だが、実は沖縄県警では、そのほかに現在もう一件、頭を抱えている案件があるようだ。それは、全国各地でその存在が問題視されている半グレ集団だ。沖縄県随一の歓楽街といわれる松山や、観光地として有名な石垣島を中心に、半グレ集団がはびこり、さまざまなトラブルを起こしているという。

「県内で急速な拡大を見せている半グレ集団のリーダー格の人物は、関西でいち早く半グレ集団を結成させた人物といわれています。その人物が松山や石垣を拠点に活動する大物親分と通じ、それを後ろ盾にするかたちで、県外から沖縄にやってきている若者たちを束ね、派手にやっているようです」(ジャーナリスト)

 このジャーナリストによれば、最近ではそのグループと地元の若者たちとの間でトラブルまで起こり始めているというのだ。地元勢からすれば、県外から来た若者たちが繁華街を我が物顔で闊歩されるのはおもしろくない。そこに摩擦が生じるわけだが、そうした状態を察した地元当局が、現在警戒を強めているというのである。

 そもそも半グレの存在を世に知らしめたのは、東京都内を中心に「海老蔵事件」(2010年11月に起きた歌舞伎役者、十一代目市川海老蔵氏に対する暴行事件)や「六本木クラブ襲撃事件」(2012年9月、六本木クラブ「フラワー」に金属バットなどで武装した男たちが乗り込み、飲食中であった男性を殺害した事件)などを次々に起こして、社会を震撼させた関東連合(解散)だろう。その関東連合の元メンバーらも、早くから沖縄県に出入りしていることは業界内では知られていたようだ。

「特殊詐欺などで財をなした若者らが、都内の繁華街で派手に飲み歩いていたりしたら、嫌でも目立ってしまう。それがきっかけで、捜査の手が伸びてくることもあり得る。そのため、わざわざ遠方の繁華街を利用するようにしていた。そのひとつが沖縄県だった」(地元関係者) 

 そこに関西で有名な半グレ集団を結成させた人物までもがやってきて、県外からその人物を慕う若者が集まり、半グレ集団を形成させて問題になっているという。

「その人物が大阪で幅を利かせていた頃は、あるヤクザ組織とつながりがあったといわれていました。ヤクザ業界だけではなく、その人物の人脈は相当広いようで、捜査当局は一時、有名アーティストとの関係性も調べていたといわれていたほどです」(芸能記者)

 旭琉會の跡目問題に加えて、半グレ集団の存在。当局が警戒を強めざるを得ない状況は、整いすぎているといえるわけだ。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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