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この関係を踏まえた上で、事件の全体像を整理してみる。
まず電通が数百万ドルを国際陸連に払いマーケティング権を獲得。その権利の一部をAMSが取得し、AMSはこの権利をさらに疑惑のパパマッサタ氏の会社に移譲していた。
パパマッサタ氏は自身の企業などを通じロシアの政府系銀行などを国際陸連の公式スポンサーにする。その後、同銀行などから07~11年の間、約2940万ドルが支払われたことになっている。
ところが、パパマッサタ氏からAMSへの支払いは約1970万ドルに過ぎず、差額の約1000万ドルがどこかに消えてしまった。これが仮に手数料だと考えても高すぎる。ちなみに、そもそもの業務発注元の国際陸連ではパパマッサタ氏の父ディアク氏が会長だったわけで、全体を見る限り大規模なマネーロンダリングに見える。
東京五輪誘致・汚職疑惑にも見える電通の影
件のパパマッサタ氏は東京五輪誘致に関わる汚職疑惑の中心人物でもある。東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が13年、シンガポールのコンサルタント会社と契約し、送金した金の一部が渡った先とされているのが彼だからだ。問題のコンサル会社は、パパマッサタ氏を通じて国際陸連会長(当時)だった父ディアク氏に金を払い、アフリカ各国の国際オリンピック委員へ東京誘致の働きかけを促した疑いがある。
この件に関してJOCは関係者にヒアリングを実施した上で、16年に調査報告書を発表。報告書で、竹田前JOC会長が問題のコンサルと契約を結んだ理由の一つとして「電通の推薦があったから」と述べていたことが明らかになっている。
竹田前会長は今年3月に「不正なことはしていない」と潔白を表明しつつ、6月末に任期満了で退任した。
そんな中での今回のロイターの報道に、電通関係者は次のように動揺を見せる。
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