決勝Tの見通し
では、次の南ア戦で勝てる確率は、どれくらいなのだろうか。
「五分五分だと思います。ただ、日本は“秘策”を持っていると感じています。今回のW杯直前の9月、日本は南アとの試合で7-41で大敗していますが、W杯での対戦を見越して、あえてW杯本番で想定している戦術と違うスタイルで戦っていた可能性があります。つまり、アイルランド戦同様に相手の裏をかくことを狙っているのではないか。もしその策略に南アがまんまと引っかかれば、勝つ確率は十分にあります。
ただ、順調に勝ち上がって、もし決勝でニュージーランドと優勝を争うことになれば、勝つ確率は低いと言わざるを得ない。日本とはいろいろな面で相性が悪いのに加えて、ニュージーランドの控え選手は他国ならレギュラーになれるレベルの選手ばかりで、さすがに日本とはレベルが違う。奇跡でも起きない限り、勝つのは難しいでしょう」(同)
また、日本が決勝Tに進出できた理由について、別の大学体育会ラグビー部OBは次のような見方を示す。
「バカにできないのが日本代表選手たちのメンタル面です。前回のW杯では“1次リーグで1勝でもできればスゴイこと”“決勝Tに進出できれば奇跡”という空気でしたが、今大会では“どうすれば決勝Tに進出できるのか”“どうすれば決勝Tで勝てるのか”というマインドに変わっています。そういう前提ですべてのチームビルディングが行われているという点は、如実に試合にも表れるものです。
加えて、“にわかファン”といわれようが、多くの日本人が注目しているということが、チームの力の底上げに計りしれない貢献をしていることは間違いありません。ですので、もっと“にわかファン”が増えて日本を応援してほしいと思います」
南アとの運命の決戦は、20日19時15分にキックオフを迎える。
(文=編集部)