画像の引用は違法の可能性大
また(2)の主従関係は、自分のコンテンツと他人の著作物との間で、質・量とも自分のコンテンツが「主」、他人の著作物が「従」という関係にあることが必要だ。どの程度の分量であれば許されるのかは、明確な基準はない。
「量的なことでいえば、他人の著作物引用が全体の半分以上であると、主従関係の要件を満たさない可能性が高くなります。このほかにも、利用目的、著作権者への影響なども考慮している判例もあります。例えば、他人の著作物を引用して金儲けをしている場合などは、著作権法違反とされる可能性が高くなります。また、自分が話を展開する上で、どうしても引用しないといけない理由(引用しないことにはまったく話が通じないなど)がないのに引用しているとなると、著作権法違反とされる可能性が上がるでしょう」(同)
また、文章ではなく、画像の場合は、「引用」として許されるハードルが高くなるという。なぜなのだろうか。
「画像は文章と違い、引用する場合には一部を切り取って転載するのではなく、画像全体を利用することになることが多いからです。したがって画像を転載する際には、原則として著作権者の許諾を取るという心構えが必要です」(同)
他人の名言を集めるというアイデアは、ユーザーから支持を得ていた面もある。しかし、引用元を書かなかったり、画像を安易に使用するなど、あまりにも元の著作権者をないがしろにするやり方だったことは間違いない。今回の件は、著作権法上、大いに問題があるといえるだろう。
(文=Legal Edition)
【取材協力】
IT・ウェブ企業専門の弁護士 中野秀俊
大学時代、システム開発・インターネット輸入事業を起業、経営を経験する。IT・インターネット企業からの相談を数多く受け、相談件数は600件以上。IT・法律・経営のすべてを熟知している数少ない弁護士である。著書に『ここをチェック! ネットビジネスで必ずモメる法律問題』(日本実業出版社)がある。
ホームページ http://it-bengosi.com/