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BISの報告書では、経済成長率は資産デフレとの関連性のほうが強いと指摘している。株価と不動産価格がピークに達した後、成長率は5年間で10ポイント近く押し下げられると分析した。
BISのエコノミスト、クラウディオ・ボリオ氏らは分析結果について、デフレがつねに有害だとする「支配的な見方に疑問を投げかける」としたうえで、「当局者は資産価格の活況と崩壊という、金融面の循環にこれまでよりも強い関心を払う必要がありそうだ」と警鐘を鳴らした。
それにもかかわらず、日米欧の中央銀行は「デフレは悪」の誤った旗印を掲げ、空前の金融緩和にひた走っている。マイナス金利を導入したデンマークやスウェーデンでは、BISが懸念するとおり、不動産価格が大きく上昇。日本でも昨年は銀行による不動産業向けの新規貸し出しがバブル期を超え、26年ぶりに過去最高となった。
世界経済にとって本当に怖いのはデフレではなく、むしろ金融緩和がもたらす資産バブルとその崩壊ではないだろうか。
(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)
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