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合法的な契約終了とは
では逆に、合法的に有期労働契約を終了するには何が必要なのだろうか。
「労働者が契約更新の合理的期待を持たないよう、あらかじめ労働者に情報提供をすることが必要」と佐藤弁護士は言う。
「『有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準』(平成15年10月22日厚生労働省告示第357号)によれば、有期労働契約締結時に『当該契約の期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければならない』『当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない』とされます。つまり、契約更新の期待について労働者と使用者の認識を一致させるような努力をする必要があるということです。これが適切に行われていれば、契約更新の合理的期待が形成されることはないので、期限の到来によって労働契約を終了しても違法となりません」(同)
使用者としては、このような点に注意しておけば、法律的なトラブルを防ぐことができるといえるだろう。いずれにせよ、契約社員という名前だから不安定な地位だということではないようだ。継続して働くことができるという期待が生じている場合、その“期待権”は専門家の適切な助言を得たうえで交渉すれば、法律的に保護される。契約社員として働く人は、このことを覚えておいて損はないだろう。
(文=Legal Edition)
【取材協力】
弁護士 佐藤宏和
事業再生、M&A分野に強いセンチュリー法律事務所の所属弁護士。弁護士登録以前に、ソフトバンク、SBIホールディングス等で子会社の上場や、代表者として子会社を経営した経験を持つ。
・労働法無料法律相談サイト「解雇・残業代トラブル法律相談サイト」運営責任者。
・弁護士ドットコムプロフィール
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