中国人観光客のマナーの悪さが世界的に話題となっている。韓国ソウル市内のレストランが、そんな中国人客に期限切れ食材を提供していたことが韓国のテレビ番組によって発覚したのだ。
3月23日付新華社などによると、中国人観光客向けレストランの中には韓国人の入店を断る店もあるが、その番組で暴露された店もそんなひとつ。同胞にはとても食べさせられないほど、質が悪いということだ。その店では豚肉やマッシュルームの色が不自然で、キムチに使用されていた白菜は中国産だったという。生産年月日が「2013年8月15日」と記された蟹を出す店もあったと報じられた。
済州島の旅行業界関係者によると、旅行社が中国人客を連れていくレストランでは、期限切れ食材を使用することは珍しくないという。
この報道は、インターネット上で大きな衝撃となり、韓国旅行を揶揄した「死亡之旅」という言葉が広がった。
韓国で中国人がカモにされるのは、これに限った話ではない。
3月15日付人民網によると、化粧品を中心にニセモノをつかまされる被害も増えているという。今年の春節期間中に摘発された店は178店舗におよび、中国人客専門にニセモノ化粧品を販売するある店は、2万個のニセ馬油クリームを売り、10億ウォン(約1億円)を売り上げたという。
また、韓国で美容整形を受けた中国人からは、手術の失敗などのトラブルやボッタクリ行為などの被害報告も多数寄せられている(参照: http://www.cyzo.com/2016/02/post_26724.html、http://www.cyzo.com/2016/03/post_27327.html)。
世界では、素行に対する評判が芳しくない中国人観光客だが、韓国に限っては被害者なのである。
ただ、日本の大手旅行社のソウル駐在員の男性は、韓国側の肩を持つ。
「中国で販売されている韓国ツアーは、日本ツアーよりさらに価格競争が激しく、5日間で1500元(約2万6000円)なんていう商品もあるほど。ここまでいくと、普通にやっていたら利益を上げることができません。ボッタクリが横行するのは、構造的な問題もある」
もちろん、海外からの客人をだますのはよくないことだが、中国人観光客を手玉に取る韓国に溜飲を下げる思いの人も少なくないかもしれない。
(文=中山介石)