25日放送のテレビ番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に、コメンテーターとして出演した元時事通信特別解説委員で政治ジャーナリストの田崎史郎氏の言動に関してTwitter上で批判が殺到している。この日の『モーニングショー』では、東京オリンピックが1年程度延期された話題などを取り上げた。クローズアップされたのは1年延期が国際オリンピック委員会に認められたことを喜ぶ安倍首相らの様子だった。それを見た田崎氏と浜田敬子ビジネスインサイダージャパン編集長とのやり取りが次のように物議を醸したようだ。
「田崎史郎ワナワナしながら浜田さんに『オリンピックに反対してるわけじゃないんでしょ?』って、何言ってんの? 反対しちゃいけないの?」(原文ママ、以下同)
「田崎史郎『総理、森会長、小池都知事で五輪延期が決まってグータッチをしたそうですよっ』浜田さん『グータッチは読売にも書いてありましたが読んで違和感ありました…』田崎『あなた五輪に反対しているわけではないんですね?』 何の念押しをしたのか田崎史郎が怖かった」
安倍首相とのパイプ生かし特別な役職新設
政府関係者もかくやと言うばかりの発言だ。これまでも、田崎氏は同番組にコメンテーターとして出演するたびに、「安倍晋三首相や政権を擁護する発言が目立つ」などとインターネット上を含め批判が殺到してきた。田崎氏が勤務していた時事通信社の社員は次のように語る。
「田崎さんがかつて名乗られていた『時事通信社特別解説委員』という役職は、氏が安倍晋三首相と特別なパイプを持っていることから、新設された役職といわれています。なにしろ現役記者時代から暇があれば首相と会食しているくらい、良い意味でも悪い意味でも『政権に食い込んでいる』人でした。
特別解説委員は社長と同じ68歳定年で、年齢も他の役員より上です。この役職に田崎氏を就けるにあたって会社は給与や報酬を支給しないものの、国会記者会館のスペース使用や記者証などの便宜供与を行ってきました。この役職をめぐっては社内でも賛否をめぐり激しい議論になりましたが、2018年に定年退職されてからはその議論も下火になりました。しかし、今もなお田崎氏は社内に相当な影響力を持っています。基本的に政治部は花形の部署であり、田崎さんに気に入られるか否かで、将来のポストも変わってきます。
少なくとも、社内には明確に田崎さんを支持するグループがあります。今でも政治部には田崎さんにメモを送稿している記者もいます。田崎氏は今もハイヤーで国会記者会館や政治家の私邸に乗り付けている姿を見かけます。『社長より偉い』と思っている若手も多いくらいですよ」
別の全国紙社会部記者は話す。
「田崎さんがテレビに出るたびに、今でも編集局に苦情の電話がかかってくると時事通信のデスクがぼやいていましたよ。特別編集委員を務められていた時には、社長室に苦情電話窓口がつくられたなんて逸話のある人ですから。社長も含め、多くの役員がいろいろ思うところはあるんでしょうが、バックに安倍晋三首相がついていることを考えれば下手に刺激はできないでしょう。逆を言えば、マスコミ業界人としては安倍政権が倒れれば終わりです。安倍首相の後釜に誰が就くかはまだ不透明ですが、誰にせよ今のようにブイブイいわせられないでしょう」
政権も必死、それに付随する関係者もまた生き残りに必死なようだ。
(文=編集部)