新型コロナウイルスの感染拡大を受け7日、政府は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を発出した。すでに国や自治体は外出の自粛を呼び掛けているが、なかでも感染者数が多い東京都は6日、緊急事態宣言が発令された場合として、医療機関での受診、生活必需品の買い出し、勤務先への出勤など「生活に必要な場合」以外の外出を自粛するよう要請したほか、学校、学習塾、映画館、ナイトクラブ、パチンコ店などを具体的が業種名をあげて休業を要請する意向を示すなど、踏み込んだ対応を見せている。
緊急事態宣言の発出を受け、8日放送のテレビ各局の情報番組はこぞってこのテーマを取り上げるなか、新型コロナをめぐる政府の対応へ批判的なスタンスが目立つことで知られる情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、出演者たちの熱い議論が交わされるシーンがみられた。
安倍晋三首相は7日の記者会見で国民に、人との接触を7~8割削減するよう呼び掛けたが、これについて政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、政府は「今回の宣言で外出自粛が自主的に進み、効果が出る2週間後に向けた対策を考えるべき」との考えであると解説。その後、田崎氏、コメンテーターの玉川徹氏、元国立感染症研究所研究員で白鴎大学教授の岡田晴恵氏の間で、次のようなやりとりがみられた。
玉川氏「(東京都は営業自粛を要請する業種の)リストを全部出してるわけでしょ。(国は)それが厳し過ぎるって言って、2週間様子を見るでしょ。それじゃダメでしょと」
田崎氏「専門家会議の話で、8割がた行動制限してくださいと。2割は動いていいですよって言っているわけですね。まず外出自粛の要請をして、様子みて、効かないんであれば、こっちのほうをやる。いきなり経済・社会の息の根は止めるようなことはしないでおこうという判断です」
玉川氏「いや、息の根止めてるじゃないですか、イタリアにしたってフランスにしたって」
岡田氏「“8割がたをまず抑えましょう”と。“じゃあ2週間様子をみて、じゃあ次にしましょう”というのは、専門家会議からのアドバイスなんですか? “様子をみていい”というのは、どっから出てきたんですか?」
田崎氏「それはおそらく西村(康稔・新型コロナ対策)担当大臣と(専門家会議副座長の)尾身(茂)先生の話し合いの中で出てきたことだと思います」
岡田氏「それならば、専門家会議の議事録というのを公開していただけないんでしょうか? というのは、8割がた抑えるというのに、2週間様子を見るというのに、専門家会議でどなたが、どういう意向で言ったのか」
田崎氏「いずれ公開するようになっているんじゃないですか」
岡田氏「いずれではなくて、焼け野原になった後では困りますので」
田崎氏「それは時間かかるでしょ」
玉川氏「時間かかんないでしょ。議事録なんて」
岡田氏「他のワクチンの委員会でもなんでも、速やかに議事録出しますよ、私たち」
田崎氏「議事録出すのは、やっぱり数週間はかかりますよ」
田崎氏といえば、安倍首相とは頻繁に会食などを共にするなど首相と太いパイプを持ち、メディアでも安倍政権を擁護する場面が多い論客として知られていることもあり、田崎氏の発言に対し、インターネット上では次のような声が上がっている。
「一般人としては田崎さんが政府の本音を代弁してるように見える」
「田崎史郎さんって 政府広報官なの!?」
「政権広報田崎氏を出すことで政権のおかしさがよくわかってある意味成功している」
「それにしても田崎氏の政権擁護は酷いかな」
「田崎スシロー、政権擁護に必死なあまりオウンゴールの形。確かに専門家会議のメンバーが聞いたら怒り出しそうな擁護内容だった」
「田崎さんはここのところテレビに出ずっぱりで政府の代弁者みたいな発言ばかりしてるけど、政府に対しての不信感を更に増幅する事には役立ってると思う」
「岡田晴恵教授が政権擁護なら何でもいいノリで根拠不明の発言を繰り返す田崎史郎氏に対して、果敢に食い下がっていて凄い」
「田崎史郎が、岡田先生の質問にタジタジ」
「時間がかかるでしょうと慌ててる田崎氏にすぐ出ますよと玉川」
「岡田先生の『専門家委員会はひたすらサイエンスでいい』『専門家と政治家は独立して。議事録も公開して。忖度しないで。それでないと大きく歪められて国民の生命に影響する』という言葉にめちゃくちゃ納得」
田崎氏といえば、6日放送の同番組で「肺炎で亡くなった人のことを、あとでCT検査をして、これでコロナかどうかいちいち判断しているんですよ」「全部やっているんですよ。その結果として、今の死者数が出てきている」と発言し、専門家からも批判を浴びているが、8日の放送ではその発言について言及がなかったことから、次のような声も上がている。
「田崎史郎氏は『肺炎死者は全てコロナか判断してる』というウソの弁明はないのか?」
「新型肺炎の話題、田崎史郎氏が出演していたのに、玉川徹氏は肺炎による死亡者のコロナ疑惑について一切語らなかったのは、何故?田崎氏に気を使うような、玉川氏とは思えないが」
こうした声について、全国紙記者は語る。
「田崎さんは3月以降、頻繁にテレビに出演してコロナ関連について発言し、その内容が“安倍政権擁護”だということで強い批判を浴びているわけですが、これだけ批判を浴びてもテレビに出続けて、それをやめようとしないというのは、何か田崎さんが貫く“哲学”のようなものすら感じますね」
このほかにも8日放送の同番組内では、政府が緊急経済対策として所得が減少した世帯に対して現金30万円を給付する件についても触れられたが、ここでの田崎氏の発言にも次のような感想がネット上で出ているようだ。
「政府が対策で打ち出した補償金の給付について、不公平という声が上がっている事について、意見を求められたスシローが、『だって、お金もらえるんですよ!』って言ってたけど」
「田崎『30万頂けるんですから、自分で調べて市区町村へ行けばいい』だと」
「田崎は30万頂ける話だからと言うが、『頂ける』じゃね」
今後の田崎氏の発言に注目したい。
(文=編集部)