ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 小池百合子の度肝を抜く「素顔」  > 2ページ目
NEW

「鉄の女」小池百合子の度肝を抜く「素顔」…絶体絶命の大博打に勝ち続けた天才政治家

文=田村建雄/ジャーナリスト

 筆者はこの選挙を密着取材したが、当時不安の表情を浮かべながら淡路島に向かう船の中の小池氏の顔を今でも鮮明に思い出す。参院議員に当選してからほぼ1年で衆院議員に鞍替えするのだから不安があって当然だ。しかし、その不安をねじふせ度胸と愛嬌で戦い抜き、見事2位当選を果たした。

 この選挙はもちろん、今回の都知事選挙も「崖っぷちから飛び降りる」選挙であった。しかし、本当に彼女にとっての「崖っぷち選挙」であり本当に度胸があると思ったのは、2005年の小泉純一郎首相の下での郵政選挙だった。

 従来の兵庫6区、近畿地方の比例区の地盤を離れ落下傘候補、刺客候補として郵政民営化に反対した小林興起議員を落選させるため、東京10区に立候補したのだ。しかもセーフティネットの重複立候補については相手候補からの攻撃材料に使われることを嫌い、小選挙区1本での大勝負に打って出たのだ。

 筆者はその選挙も密着取材したが、今回の都知事選を上回る悲壮感でいっぱいだった記憶がある。しかも、当時の東京10区の一部自民党関係者の間には、小池さんに対し「よそ者」の空気も蔓延していた。そこを勝ち抜き、彼女は勝者になったのだ。私は、その度胸の良さに舌をまいたものだ。その度胸が初めて会う人たちの度胆を抜き、ファンにしていくのだろう。

(3)女性に好かれる

 今回の都知事選で、多くの女性から「小池さんスゴイ、素敵」という声をどれほど聞いたことか。彼女の最大の武器は、若い頃に“ミニスカ政治家”と皮肉られた当時から、常に女性の先駆者として「女性のために何かできないか」「女性だからこそ」という視点で政治ができないかということを、常に意識していたことだ。それを女性たちはビビっと瞬時に感じ取る。だから女性ファンは多いし、増え続けている。クールビズを発案したときも、「男どもの胸元から、あの暑苦しいネクタイをはずせないものかしら」という女性目線だ。

 築地市場移転問題は、世の台所を預かることが多い女性にとっては、家族の命にかかわる重要なこと。汚染問題が曖昧なままで新豊洲市場がスタートしようとしたことに不安を感じる女性たち、母親は多かったはず。それを食の安全の視点でジャーナリスティックな手法で迫り、「盛り土問題」を暴き、汚染疑惑もクリアにしてからスタートしようという姿勢が、世の女性たちの期待を集めるのだ。

 今後、小池氏の政治家としての行動を、以上の3つのポイントから見ていくと、非常にわかりやすいのではないか。
(文=田村建雄/ジャーナリスト)

「鉄の女」小池百合子の度肝を抜く「素顔」…絶体絶命の大博打に勝ち続けた天才政治家のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!