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ツタヤ図書館、「新刊」選書内に大量の中古本混入の疑惑…選書リストに価格表記なし

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

 本連載前回記事において、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が昨年3月から運営している宮城県・多賀城市立図書館が、新装開館に合わせて購入した選書に不自然な点があることを報告した。新刊として選書しているにもかかわらず、発刊から10年以上経過したような古い本が大量に入っているのだ。そこで、専門家に選書リストを分析してもらったので、今回はその分析内容を紹介したい。

 CCCは新装開館までに11回にわたって選書を行っている。第7回までは特段不自然さはないが、第8回以降の新刊選書リストを見ると、極端に刊行年の古い本が大量に選書されていた。

 ツタヤ図書館問題にも詳しい書店関係者は、新刊の選書リストを見て、第8回リストには「ISBNが13ケタのものと、10ケタのものが混在している」と指摘する。

 ISBNとは、図書を特定するために設けられた世界標準の商品コードだ。すべての書店販売書籍には、必ず1冊ごとにこのコードがひとつずつ付与されている。

「ISBNは、2006年までは10ケタでしたが、07年から13ケタに変更になりました。そのため、新刊を購入するのであれば、リストはすべて13ケタになるはずです」(書店関係者)

 この選書リストでは、通常あるべき価格欄はないが、ISBNの欄は設けられていた。新刊のみを選書した第5~7回のリストを見てみると、ISBNはほぼ13ケタのコードで統一されている。つまり、不自然なところはない。それぞれの本の出版年も、ほとんど2年以内だ。

 ところが、第8回リストは様相が一変している。冒頭の3冊こそ13ケタのISBNが記載されているが、その後は10ケタが続く。

 前出の書店関係者は、「新刊リスト中に、中古本が多数混入しているのではないか」と分析する。もし、そうだとすれば重大な問題だ。

 中古本を購入すること自体は、多賀城市教育委員会が正式に承認しているため、問題ではない。本連載過去記事において、極端に市場価値の低い古い本を高値で購入していると報じたが、「不適切」ではあるが「違法」ではないといえる。

 ところが、「新刊」と明記し、新刊の価格で購入した本のなかに中古本が混入させる「偽装」が行われているのであれば、それは由々しき事態だ。

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