「昭恵夫人は脱原発を口にしたり、沖縄・高江のヘリパッド建設反対の拠点を訪れたりと、夫の立場を省みない言動も多いですから、首相官邸スタッフや自民党の人たちが、『これがいい機会』だとばかりに“昭恵夫人潰し”を狙っていると思います。昭恵夫人の行動を封じ込めるような情報を流したり、記者からコメントを求められればそのように答えたりしていますから。昭恵夫人には『もう動いてくれるな』『ただの首相の奥様としておとなしくしててください』というのが、自民党、官邸スタッフ、そして安倍首相の願いですから」
では、森友問題はどのように着地するのだろうか。
「籠池氏の自己破産などで官邸側は終わらせたいのだと思います。森友は借金が返せないので、実質破産すると思います。自民党の上層部は考え方が古いので、そういうことで決着させればいいんじゃないかと思っている節はすごくあります。しかし、それでは絶対に国民は納得しないですが、その国民感情を官邸は理解していない。安倍首相の初期対応のミスというのが大きいと思います」
着地点
森友問題が国会で取り上げられた当初、「私や妻が関係していたということになれば、これはもうまさに総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい」と安倍首相が言い放ったことが、「それなら辞めさせてやろう」と野党をやる気にさせたことは、衆目の一致するところだ。
「解散総選挙に持ち込んで信を問うというのが、決着の一つとして考えられますが、安倍首相の支持率も下がっており、選挙したら議席が減るので、自民党の議員たちは『今解散をするべきじゃない』と強く言っています。安倍首相自身は『勝てる』『議席は減らない』と思っているようですが、周りの人たちがデータを見せて、いろいろ説得しているようです。安倍首相が3期目の自民党総裁選を乗り切って、長い政権運営を目指していますから、今解散することは絶対にマイナスだと周囲は考えています。
うやむやのままで問題の幕引きをしたい官邸の意向が通るのか、マスコミが誘導している内閣総辞職という方向になるのかは、流動的といえます」
籠池氏の社会的抹殺で森友学園問題を終結させようとした政府・自民党もまた、崖っぷちに立たされている。
(文=深笛義也/ライター)