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偽証罪を適応するには、検察が動く必要あり
森友問題で安倍政権を追及する野党にも、手詰まり感がある。籠池氏を証人喚問し、売却交渉時に財務省理財局長だった迫田英典国税庁長官らを参考人招致したあたりまでは野党の攻勢が続いた。その結果、安倍昭恵・首相夫人から寄付金100万円を受け取ったという籠池氏の証言のほかに、昭恵夫人付きの秘書(首相官邸職員)から籠池氏へ送られたとされるファックスが出てきた。
しかし、寄付金は違法性がなく、ファックスに関しても夫人付きの官僚が森友学園に対してなんらかの便宜を図ったことが明らかになるような証拠ではない。今のところ、野党は昭恵夫人の証人喚問を要求するしかないのだが、須田氏はこう解説する。
「自民党が昭恵夫人の証人喚問に応じることはないでしょう。昭恵夫人は何を言い出すかわかりませんから。新たな展開があるとすれば、ファックスのほうですが、籠池氏への便宜供与を証明するには、捜査当局の手を借りるしかありません。『交渉記録が残っていない』という迫田氏らの答弁は明らかに虚偽答弁に近いものだと思いますが、虚偽だと証明するのは難しい。国会でできることには限界があって、これ以上は無理でしょう。かといって、今の捜査当局が首相官邸に弓を引くとは思えません」
さらに須田氏は、野党、特に民進党の覚悟がみえないという。
「本来なら、すべての審議を拒否して国会空転という場面だってつくり出すことはできるはずです。腰が引けているとみられても仕方ありません。森友問題は、国会においては収束に向かうのではないでしょうか」
今の通常国会の会期は6月18日まで。安倍政権がもっとも重要視している「共謀罪」法案の審議も始まった。今後、野党は森友問題にどこまで時間を割くことができるか。
(文=横山渉/ジャーナリスト)
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