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経営危機のJR北海道、線路で衝撃の光景…橋梁がない鉄橋、線路が宙に浮く路盤流出

文=山田稔/ジャーナリスト
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昨年の台風で流失した慶能舞川橋梁の惨状

経営危機のJR北海道、線路で衝撃の光景…橋梁がない鉄橋、線路が宙に浮く路盤流出の画像2無残な慶能舞川橋梁跡

 12時過ぎ、鵡川駅に着いた。三角屋根のかわらしい駅舎だ。「シシャモとタンポポの町」ということで、駅前に「柳(し)葉魚(しゃも)の伝説」の表示板がある。駅舎の中に入ると「日高線列車・代行バスご案内」の表示が目に留まる。その下には発車時刻表。苫小牧方面は列車時刻で6時台から21時台まで9本の列車が走っている。静内・様似方面は代行バスの時刻表。6時台から19時台まで7本の発車時刻が記されている。終点・様似までのバス(静内で乗り換え)は4本しかない。駅舎内、ホームともに人影はゼロで寂寥感が漂う。

 駅前に13時発の代行バスが停車していた。発車までかなり時間があるためか、乗客の姿はない。運転手に乗客の数を尋ねると「昼間はほとんどいない。無人の時もある」とのこと。ただ、朝夕は通学の高校生で混み合うという。「この春は新1年生が多くて、2便出すときもある」という。この時ばかりは笑みがこぼれた。

 国道235号を日高門別方面にレンタカーで進む。右手に列車が走らない鉄路が海沿いに続く。国道と鉄道が並行して延びている。海と牧場を眺めながらの快適なドライブコースだ。門別競馬場を過ぎると、富川、日高門別、豊郷、清畠と駅が続く。目の前に惨状が飛び込んできたのは、豊郷と清畠の間にある慶能舞川の橋に差し掛かった時だ。右手にある鉄橋の橋梁がない。昨年の台風で橋梁が流失、路盤が流出して通信ケーブルが損傷したのだ。

 車から降りて、鉄橋のあった場所に行く。低気圧と寒気で、ものすごい風が吹く。気温は2度前後で、指先がちぎれそうな感覚に陥る。橋げたが無残に取り残された鉄橋跡は、なんとも無残。橋梁部は浜にひっくり返したかたちで放置されている。「慶能舞川橋りょう 塗装年月2008年7月」などの記載がある。鉄路が完全に寸断されている。

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