民進党、重要な介護法案質疑で無関係な森友問題追及…野党からも罵倒される始末
このことは、田村議員には委員会が始まってから伝えられています。田村議員は、柚木議員に筆頭理事としての顔を潰されてしまったのです。さらに、通常は筆頭間協議の内容はほかの野党理事にも伝えられるのですが、なぜか柚木議員が伝えていなかったことも、のちに判明します。
自民党と民進党が責任のなすり合いでバトル
理事懇談会では、もうひとつ取り決めがありました。それは、「与野党の信頼関係が崩れたと判断したときは、法案の採決を行う」というものです。
柚木議員の一連の行動で、「与野党の信頼関係が崩れた」と判断した与党の理事たちは、国会対策委員会と協議した上で採決を行うことを決め、野党理事に通告しました。これは、当然だと思います。
その場で初めて筆頭間協議の内容を聞いた共産党と日本維新の会の議員は、柚木議員に詰め寄って真相を問いただしたそうです。柚木議員も伝え忘れていたことを認めたそうですが、ないがしろにされた野党議員たちも国対と協議し、柚木議員の所属する民進党とはこの件に関して同調しないことにして、独自の判断で採決に望みました。
つまり、これは一部メディアが批判するような強行採決ではなく、以前から、たびたびプラカードを掲げては騒ぐだけの“プラカード議員”である柚木議員の暴走が生んだ結果だったのです。
ちなみに、翌日に予定されていたすべての委員会が延期となり、私たち秘書や省庁の職員および関係者にとっても、とんだとばっちりとなりました。
柚木議員は丹羽委員長や田村議員に「辞職しろ」と迫りましたが、横にいた共産党の議員に「柚木さん、あなたが辞めなさい」と罵倒される始末でした。その後は自民党と民進党の議員同士で責任を押しつけ合い、どちらが謝罪するかでバトルとなったのですが、正直いって、本当にくだらなかったです。
厚労委員会の理事会での謝罪現場を見ていましたが、まるで小学生の男子たちがケンカをした後の“ごめんなさい合戦”のようでした。叱られたから謝っただけで、反省していないのが見え見えです。
「謝罪すべき相手は、スタッフである私たちだよね」と、私たち秘書と職員はあきれていました。
(文=神澤志万/国会議員秘書)