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【タトゥー裁判】彫師と検察が真っ向対立!ある日突然「医師法違反」はおかしい!

構成=作道美稚代
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――現在は独立されていますが、やはり刑事事件専門ですか。

亀石 いいえ。今は、離婚や不倫の慰謝料請求などの家事事件や民事事件を中心にご依頼をお受けしています。大阪パブリック時代とは違い、今は女性一人で経営しているということもあり、家事・民事事件がメインですが、ほかの事務所の弁護士からの依頼などもあり、刑事事件も数件担当しています。

タトゥー事件の弁護を引き受けた真意

――なぜ今回のタトゥー事件を受けようと思ったのでしょうか。

亀石 知人の弁護士から増田太輝さんを紹介されたことがきっかけでした。その弁護士はかつて、大阪市による刺青アンケート問題に関する裁判にかかわっていた関係で増田さんが相談に来られたそうです。増田さんの事件は刑事事件ということもあったので、かつてクラブ「NOON」の風営法違反裁判を担当していた私を紹介してくださいました。

 私は、増田さんのお話を伺っていくなかで、長い歴史と文化的な背景がある彫師という職業が突然、医師法違反と言われてしまうのはおかしいのではないかと感じました。

 私はご相談を受ける時、法律上の理屈も大事ではあるのですが、自分の直感で「おかしい」と思うかどうかが先にくるタイプなので、今回のタトゥー事件もそういった部分が先行して「戦わなければならない」と思いました。

――タトゥーは社会的にあまり良い印象がありませんが、抵抗はありませんでしたか。

亀石 多くの刑事事件を担当するなかで、「偏見を持つ」ことが真実を見えなくすると実感していました。そのため、タトゥーや彫師に対して抵抗や偏見はありません。実際に増田さんをはじめ、色々な彫師にお会いして話を伺ったのですが、とても真面目な方が多かったです。どちらかというと、アーティストや職人といった感じです。美しいものが純粋に好きで、自分がそういったものを創造できるということに誇りを持っていらっしゃる方ばかりでした。

 今回の裁判が始まり、彫師の方々や体にタトゥーを入れている方々は、皆さん一丸となってシンポジウムや署名運動などの活動をされています。世論は裁判の行方にも無縁ではありませんので、今後も活動を続けていってほしいと思いますし、彫師に特化した衛生管理に関する法整備を行うことも今後大事になってくると思います。この裁判をきっかけに、タトゥーがよりメジャーなものになっていってほしいと思っています。

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