この発表については、「戦略的課題解決型観光商品等支援事業 沖縄観光 デザインアクション2017」のサイトで、事業内容が以下のように紹介されている。
<国民的アイドル「AKB48」グループが行う毎年恒例の一大イベント「AKB48 49thシングル選抜総選挙」を沖縄で開催。このイベントを皮切りに、次年度以降は総選挙が行われた聖地として沖縄を訴求。AKBグループのアイドルフェスを毎年開催することで「アイドルアイランド」のブランドで沖縄県を世界にアピールします>
数々の疑問点
郭教授が続ける。
「しかし、AKBが沖縄で総選挙を行うと発表したのは、3月20日なんですよ。つまり、同事業に採択されるはるか以前に、沖縄でやると発表しているんです。開催日が6月17日なので、5月18日の発表から準備しても間に合わない。そうすると最初からAKBありきで話が進んでいたとしか思えないです。穿った見方をすると、最初からお金が落ちるということを前提にAKB側が進めていた。あるいは、AKBは沖縄でやるということで粛々と進めていて、採択されればそのお金を充当しようとしたという説明も成り立ちます。
そうすると、新たな疑問が湧いてきます。今回、AKB総選挙は9回目。すごいビッグネームで、テレビ局もスポンサーもついている国民的なイベントなわけで、特定の事業資金を手に入れなくても十分に成り立つのに、なぜ交付金を入れたのかということには、相当な違和感を感じます」
文字通り沖縄の振興のための、沖縄振興交付金である。そこからも疑問が湧いてくる。
「同事業の公募要項には『持続性及び発展性が見込まれ、自走化に向けた計画が明確な取り組み』と書かれています。そうするとAKB総選挙は、次年度以降も沖縄で行われるということでないと、条件を満たしません。しかし、これまでの8回を見ていくと、6回目までは東京で、同じ場所でやったのは日本武道館で2回、あとは味の素スタジアムやJCBホールなどと、場所を変えている。7回目が福岡で、8回目が新潟。9回目を沖縄にしたということは、いろいろな場所でやって広げていこうという狙いだと思うので、今後沖縄でずっとやるっていう発想がAKB総選挙にあるとは思えません」