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政務活動費の規制は「ザル」
市民の血税が投じられる政務活動費をめぐる規制は、まだ「ザル」だ。大阪府のある市議会議員は3年間で450冊の本を政務活動費で買ったという。議員活動として、果たして年に150冊も必要なのか。かつて筆者が寄稿していた週刊誌では取材費請求の際、事件現場で地図を買う際にはレジで書籍タイトルを領収証に書いてもらった上、表紙をコピーして添付する必要があった。だが、議員が税金で購入した多数の本を、議会事務局がいちいちチェックするわけではない。自分の趣味の本を買おうが、妻や子供のための本を買ったとしても、わからない。
事務手続きを担っている議会事務局は、政務活動費の不正請求を把握することはできないのか。たとえば、あれだけ頻繁にカラ出張を繰り返した野々村氏など、出張しているはずの日に京阪神界隈をうろついている姿が目撃されていただろうし、そうした情報が事務局に入っていないはずがない。つまり政務活動費の不正支出は、議会事務局も「共犯」なのだ。
神戸市では10月22日に久元喜造市長が2選を目指す市長選挙があるが、相次ぐ辞職により市議の補欠選挙が加わっていた。そこへ衆議院の総選挙が重なる。市選挙管理委員会は「トリプル選挙」に備え、通常250人の職員を400人にする。彼らの残業手当も巨額に上る。「甘々チェック」がもたらす議員たちの不正で、さらなる税金の投入が行われてしまう。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)
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