消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
その1週間後に、佐川氏は国会で「記録は破棄した」と答弁しています。世間的には、「この佐川氏の答弁に合わせて改ざんが行われたのではないか」といわれていますが、佐川氏の答弁に合わせるのであれば、本当に記録を破棄してしまえばいいはずです。
しかし、財務省は記録を破棄ではなく改ざんしました。これは、役人としてやってはならないことであり、そのため改ざんにかかわった職員が自殺する悲劇まで起きています。
なぜ、それほど重い罪を犯してしまったのか。やはり、佐川氏の発言の前に出た、安倍首相の「首相も国会議員も辞める」という言葉が引き金になっていると見るほうが自然です。そして、佐川氏は安倍首相と財務省を守るために「記録は破棄した」と言ったのではないでしょうか。
そこから財務省内での改ざんが始まるわけですが、その内容を見ると、昭恵夫人や複数の政治家の名前が消されています。それは、「昭恵夫人の名前が出てきたら、安倍政権が危機的状況になる」「そうなれば、消費税増税の芽は完全に消えてしまう」と考えたからではないでしょうか。
消費税を5%から8%に上げるまで、財務省は17年の歳月を費やしています。少しうがった見方かもしれませんが、その間ずっと涙ぐましいロビー活動を続けてきたわけですから、「また白紙に戻したくない」という考えが働いたとしても不思議ではないでしょう。
政治家ではなく財務省という視点から、森友学園をめぐる問題を見てきました。結論は、「改ざんは財務省の独自の判断だが、昭恵夫人が与えた影響を見ると、関与は否定できないのではないか」というものです。
まだまだ謎の多い問題なので、早急に真相を解明していただきたいと思います。
(文=荻原博子/経済ジャーナリスト)
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