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この動画はテレビCMとして放送されることはなかったが、ワイドショーなどが食いつき、結果としてお茶の間に流布する。話題性も手伝い、当初の目標である「年100万個のLEDに交換してもらう」は達成できるはずという空気が都庁内には流れていた。しかし、実際に交換されたLEDは、目標の約2割。約20万個にとどまる。
「都庁内でも、小池都知事の人気がガタ落ちしている実感はありましたが、ここまでとは……」(同)
衝撃の数字を受け、東京都はLED交換ができる対象店を拡大。新たに、ヤマダ電機を追加した。もともとLED交換事業は、家庭の電球をLEDに交換することで二酸化炭素排出を減らすという環境目的があった。そして、交換ができる電器店は町の電器店に限定されていた。ヨドバシカメラ、ビックカメラといった家電量販店でLED交換を受け付けなかった理由は、「町の電器店で交換してもらうことで地域活性化・商店街振興という目的があった」(同)からだ。
しかし、LED交換事業は大コケ。都民に忘れられた存在になっている。背に腹はかえられない東京都は、町の電器店という制限を撤廃。ヤマダ電機でも交換ができるようにした。これにより地域活性化・商店街振興という目的を失ったLED交換事業は、オワコン化した。
得意の環境政策でも浮揚のきっかけをつかめなかった小池都知事には、「このままだと、20年の都知事選まで持たないかも」という声が囁かれるようになっている。レームダックとなった小池都政の迷走はまだ続きそうだ。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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