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千年前になんの目的で建造…アマゾンのストーンヘンジ、その謎と真実

文=水守啓/サイエンスライター
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アマゾンストーンヘンジ

 通称「アマゾンのストーンヘンジ」と呼ばれるそのストーンサークルは、大西洋に近いブラジル北部アマパー州の都市Calçoene 近くに存在し、Parque Arqueológico do Solstício(至点考古学公園)と名付けられている。19世紀終わり頃、ブラジルのナチュラリストのエミール・ゴエルディーによって発見された。だが、その後長らく放置され、本格的な調査が始まったのは2005年のことである。

 調査の結果、そのストーンサークルは、127個の花崗岩からなり、立てられた状態で、直径30メートル超の円環を形成していた。各石の形は揃ってはいないが、厚さの薄い板状で、大きなもので高さ4メートル、重さ数トンにも及ぶ。石は冬至に合わせて配列されており、太陽がある石の上に来ると、それが生み出す影が消えるようになっていた。つまり、天文観測が可能なものとなっていたのである。

 同地区には、これまで20個の巨石構造物、8つの洞穴墓、そしていくつかの村の跡が発見されている。石自体の年代測定は行われていないが、出土した焼き物の年代測定では、500~2000年前のものと示唆された。

 また、考古学者らは石でつくられた骨壷も発掘調査で発見している。それにより、その環状列石は1000年ほど前に築かれ、その周辺地域では墓地として古代の宗教的な儀式が執り行われていたのではないかと推測された。また、使用されていた石と同種の花崗岩は、3.2キロほど川を下った場所で発見され、そこから運ばれてきたものと考えられている。調査を行った考古学者らは、冬至に合わせて配置された環状列石は、耕作や狩りの時期の決定に役立てられたのではないかと考えている。

 だが、すでに触れたように、近年の調査により、イギリスのストーンヘンジは、埋葬地を備え、天文観測も可能な儀式の場であったとみなされるようになっている。そう考えると、類似点の多い「アマゾンのストーンヘンジ」もやはり同じ目的で立てられたものになりそうだが、その詳細は今なお謎のままである。
(文=水守啓/サイエンスライター)

【水守 啓(ケイ・ミズモリ)】
「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、代替科学研究家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動等を行っている。著書に『ついに反重力の謎が解けた!』、『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の秘密/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研プラス)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』(明窓出版)などがある。
ホームページ: http://www.keimizumori.com/

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