今回は大阪府北部を中心にガスの供給停止や断水が続いた。耐震管への交換が行き届いてなかったのではないか。今はある程度の地殻変動で多少曲がっても断裂せずに機能が低下しないガス管や水道管がある。自治体としては今後、早めに交換する必要がある。
――新潟県中越地震(04年)、東日本大震災(11年)、熊本地震(16年)など、多くの犠牲者が出る大きな地震が10年たたずに起きている。
和田 ほとんどの専門家は、より大きな地震災害が起きる切迫した状態にあると認識している。海溝型地震が東北や千葉沖、北海道沖で起きており、日本列島全体に大地震の前兆が見られる。内陸での地震はめったにないといわれながらも、全体的な地殻変動の結果として内陸でいくつも地震が起きている。大災害を起こす地震が頻繁に起きる時期に入っているが、気象庁も政府もあまりアナウンスしていない。今回のように意識できるときに対策を打たないと防災は進まない。今回の地震も警告だと思わないといけない。
国や自治体のハザードマップを確認
――大阪の地震を教訓として、個人としてすべきことは何か。
和田 自分の生活圏のリスクを確認しておくことだ。日常生活では気づかないが、危険性をはらんだ場所は至る所にある。石積みの外壁のビルや、看板が落ちそうになっているところなど、こういう機会に通学路や通勤路など自分がふだん歩くコースで気をつけて見てほしい。
見落としがちなのは、例えばアーケード街がそうだ。アーケードには耐震基準がない。阪神・淡路も熊本でも、アーケードはかなり被害があった。ブロック塀も色つきのプリントが貼ってあったりするので、よく見ないとわからないかもしれない。空き家は管理されていないので、かなり危ない。電気が止まっていれば漏電の危険性はないが、放火の可能性もある。国や自治体が出しているハザードマップは有効であり、もっとも身近な手段だ。
(構成=横山渉/ジャーナリスト)