6月18日午前7時58分ごろ、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1、深さ13kmの地震があり、大阪市北区、大阪・高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱の揺れが観測され、近畿地方の広い範囲で震度5強や5弱の揺れが観測された。
地震の性格、今後への影響、被災地の住民が気をつけるべきこと、行政や公共機関が行うべきことは何か。名古屋大学減災連携研究センターの鷺谷威(さぎや・たけし)教授に聞いた。
今回の地震は、どのようなメカニズムで発生したのだろうか。
「震源域より南側に、南北方向に生駒断層帯という断層が伸びています。そちらと似たような断層が関係しているのかなと、今のところは考えています。これから起きる余震の分布などを見ていかないと、はっきりとはわかりません」
南海トラフ地震の前兆なのではと心配する声もあるが、どうなのだろうか。
「南海トラフ地震との関連を言えるレベルの根拠はないと思います。歴史上のデータから見ると、だいたい100年に1度くらいの頻度で、南海トラフ地震が起きています。発生の前後で内陸部でも地震活動が活発化するということが、統計的にも現れています。何十年か観測をしていて、南海トラフ地震が実際に起きた時に一連の流れを見て、この頃から活動の活発化があったという解釈ができる場合があると思います。特定の1つの地震を取り上げて、南海トラフ地震の前兆かと言われても、それはわからないとしか申し上げられません」
今回の地震は、今後他の地震にどのような影響を与えるのだろうか。
「大きな地震のあとには、余震が必ず起きます。今回もすでにいくつかは起きていますけども、人が感じるような余震の数というのは、それほど多くはないようです。周りに活断層が多くある地域ですので、地震が起こる可能性は大きいです。大地震が1つ起こると、通常よりも地震が起こりやすくなるということは一般的に言えます。周辺50キロ圏くらいの範囲で、通常よりも地震に気をつける必要があるでしょう。
今回の地震については、日本列島のなかで年に数回は起きているレベルの地震です。ですから、これがもっと大きな地震の前兆ですと言える根拠はありません。2016年の熊本地震の時、最初マグニチュード6.5の地震があって、翌々日にマグニチュード7.3の地震が起きたということもありますので、1つの地震がさらに大きな地震の引き金になるという可能性はゼロではありません」
危険箇所がないか早急に確認する必要
被災地の住民は、どのようなことに気をつけたらいいだろうか。