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「平尾さんの件は、一般の方にも大きな教訓になると思います。私どもに持ち込まれる相談を見ても、なにもセレブだから争いになるとは限らないんです。生活保護を受けていた人が亡くなり、親族が揉めた例もあります。あるいは、ともに年収2000万円というサラリーマン兄弟の例では、親御さんのほうが貧しくて、残ったお金は数十万円しかなかったんです。それでも揉めました。公正証書遺言を残しておくに越したことはありません。
たぶん平尾さんもそうだったと思うのですが、日本のお父さんお母さんは、なんだかんだと言いながらも最終的に家族はわかり合えると思っている。性善説なんですね。だから親が元気なうちに、子どもたちのほうから『僕たちが困るんだから』と頼んで、遺言書を書いてもらったほうが安心ですね。
そこから先も注意が必要で、遺言書を書いても完全ではない人が多いのです。納税資金対策ができていなかったり、資産運用がちゃんとできてなかったり。結局、介護費用に全部使ってしまい、何も残らないとか。けっこう終活を間違っている人は多いんですよ。遺言書を書いたからと満足するのではなくて、包括的に見て初めて終活だということを認識してもらいたいです」
平尾さんは日本人の心を歌い上げた多くの名曲を残したが、遺産相続に関する教訓を失敗例として残してしまったといえるかもしれない。
(文=深笛義也/ライター)
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