Plays Now不適切ツイート騒動はなぜ起きた?個人的趣味拡散で被害受ける危険も
10月14~15日をピークに、視聴している動画をリアルタイムで自動的にツイートするサービス「Plays Now」が猛威を振るった。
16日には、同日付日刊アメーバニュースが報じたように、人気アニメ『マギ』の公式Twitterアカウントが三鷹女子高生刺殺事件に関連した不適切な動画を「Plays(視聴中)」とツイートしてしまい、「本件の原因は、関係者の操作ミスによるもので、該当発言は、何らかの意図を持って発信されたものではございません」と謝罪する事態になった。
このように、著名人や団体を含め、公序良俗に反する動画のタイトルをツイートしてしまう問題が次々と発生。16日以降は各ネットメディアにより注意喚起が行われたこともあり、事態は収束しつつあるが、実名での利用者も多いTwitterだけに、知られざる趣味が露見するなど、当人としては取り返しのつかない「被害」を受けた人も少なくないようだ。
この「Plays Now」、とんでもなく迷惑なアプリケーションにも思えるが、今回の『マギ』騒動はネット上では「バカッター」という言葉とともに語られており、つまりユーザーに落ち度があった、という見方が多い。というのも、同サービスはウイルスなどではなく、本人が「認証」を行ってTwitterと同期するアプリだからだ。サービスの説明では「友人とリアルタイムで動画を共有して楽しむこと」が目的とされている。
15日付ITmedia記事によれば、「Plays Now」を通じてつぶやかれたツイートの先頭には「plays」という言葉が入っており、そこから動画にアクセスすると、アプリ連携画面に誘導されるようになっている。そこで「Plays Nowがあなたのアカウントを利用することを許可しますか?」と尋ねられ、認証するというのが導入の流れだ。記事によれば「友人などのツイートによって動画をクリックし、Plays Nowのアプリ連携画面に誘導され、そのままアプリ連携を認めるボタンを押してしまうことで拡散しているようだ」という。
よく認証画面を見てみると、「タイムラインのツイートを見る」「フォローしている人を見る、新しくフォローする」「プロフィールを更新する」「ツイートする」という4つの許可が求められていることがわかる。ソーシャルメディアを通じた企業コンサルティングを行うACTZEROが18日に配信した記事は、「今はこのアプリはただ動画情報をツイートしている状態ですが、勝手に誰かをフォローされても、プロフィール変えられても文句は言えない『強力な許可』を出しているのです」と警鐘を鳴らしている。
各メディアは認証を解除する方法を取り上げており、要約すると、まずはTwitterにアクセスし、画面右上にある歯車マークから設定メニューを開く、そこから「アプリ連携」を選択し、一覧に表示された「Plays Now」について「許可を取り消す」というボタンをクリックすればいいとのことだ。
●問われるユーザー側のリテラシー
昨年6月にはFacebookで、動画窓をクリックすることで、成人向けサイトに対して勝手に「いいね!」を押してしまう「クリック・ジャッキング」の被害が続出した。動画の内容はさておき、いわば不意打ちだったこの問題に比べて、やはり今回の騒動は、「ユーザー側のリテラシー」によるところが大きかったように思われる。
前出のITmedia記事でも紹介されているように、Twitterのヘルプセンターには、「サードパーティのアプリケーションは慎重に選ぶ」という見出しで、次のように書かれている。
「Twitterアカウントで利用可能なプログラムやアプリケーションが、サードパーティから多数提供されています。こういったアプリケーションは、外部の開発会社によってTwitterプラットホーム上で構築されており、アカウント上で色々とすごいことができるようにしてくれます。しかし、ご自分のアカウントが他人にコントロールされないように注意しなければなりません」
リスク回避よりも動画への好奇心が先行し、結果として社会的信用を落としてしまう……ということにならないよう、Twitterユーザーは注意したいところだ。
(文=blueprint)