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元国税職員が語る、知られざる税務調査の実態と、巧妙化するピンク産業の脱税手口

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●素人が無店舗型性風俗店を開業する理由

 厄介なのは無店舗型のデリバリーヘルスホテトルだという。マンションの一室を借りた無店舗のために、営業の実態を把握しにくい。このために、経営者側もみかじめ料対策や税務署対策がしやすい。そう考えて素人さえも経営に乗り出そうとすることが多い。

「こうした場合、調査官はラブホテルを張り込みます。すると女性1人で出てくる客がいる。ホテルから1人で出てきた女性は、たいていデリヘル嬢やホテトル嬢で、近くのマンションにある待機場所に戻っていきます。待機場所を発見すれば、そこからの出入りを把握し、そのマンションの部屋の所有者や借主は誰かと見ていくと、影のオーナーが見えてくるのです。しかし、相手も手口を巧妙にしていき、こちらも精鋭部隊で臨み、常にいたちごっこです」(同)

 一昔前ならば、電話ボックスに貼られていたピンクビラの電話番号から所有者を割り出すこともあったが、最近ではインターネットの広告なども元にして経営者を調査するという。

「実際に潜入調査もして、売り上げを把握します。ただ、現在進行中の営業は翌年度の申告になるため、トクチョウが税務調査に入れるのは翌年の3月15日以降になる。相手が申告していないか、申告していたとしても、こちら側の見積もりと比較して申告額が低いのではないかということになって、初めて調査に入ることになります」(同)

 税務調査の末に、修正申告とさらに重加算税(35%)が課税されることもある。

 ちなみに、2014年の確定申告は2月17日(月)から始まる。くれぐれも注意されたい。
(文=松井克明/CFP)

BusinessJournal編集部

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