『中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド』(「週刊文春」特別取材班/文藝春秋)の中でも「最大のリスクは、中国という国に、日本人の食と健康を預けてしまっていることです。安いから中国産を食べるというのは、それなりの覚悟を伴うということ。それでもあなたは中国産を食べますか?」と、オーガニック検査員が警告している。
●中国産食材があふれる外食産業
このように危険な中国産食材の購入については、スーパーなどで原産地表示などのチェックを徹底し、極力購入しないようにするのが鉄則であるが、「原産地表示の義務がない」外食チェーン店で食事をする場合には注意が必要だ。
ネット上では「中国産の食材を使用している外食チェーンと食材内容」というリストが話題となっている。そのリストでは、多くの中国産食材を使用している注意店舗として、誰もが知っている有名チェーンが名を連ねる衝撃の結果となっている。
実際には、こうした中国食材について各チェーンの審査採用基準や、どのような対策を講じているのか問い合わせを行ったところ、以下の2社から回答があった。
スシローを運営するあきんどスシローは、次のように回答を寄せた。
「中国産食材は、あんこう肝・大うなぎ・えびチーズ・えびアボカド・煮あなご・わさびなす・かんぴょう巻・蛤・うどんの肉・あさり・たこの唐揚げ・大葉・大根おろし・ねぎ・たまねぎ・しょうが等となっています。安全対策として、食材は定期的な食味検査を実施、海外食材の審査採用については徹底した衛生管理チェック体制を取っております。また、各店舗への抜き打ち検査等も実施しています」
また、ロイヤルホストは「HP上で公開している内容がすべて」との回答であったため、HPを確認したところ、国産品については原産地情報を公開しているが、輸入品に関しては非公開。「輸入食品に関しては厚生労働省から指定された検査基準をクリアし、所定の手続きを経て輸入されたもののみ使用」と記載があるだけで、中国食材がどのメニューに使用されているかは不明であった。
日本冷凍食品協会の公開情報では、昨年度の中国からの調理冷凍食品の輸入は16.4万トン。全輸入量の実に6割を占める。輸入量は「データでは07年がピークで09年度までは下降していたが、10年度よりまた年々増加の傾向となっている」そうだ。
財務省による貿易統計データによると、02年から現在まで輸入相手国として、常に中国がトップとなっている。最大の輸入相手国である中国からは、食材の輸入量も増加傾向にある。
外国からの食材輸入量が増えている状況を受けて、農林水産省では「外食の原産地表示ガイドライン」を策定しHP上で啓蒙しているが、現状はほとんど効果は出ていない。
FTAが合意すれば、さらに中国食材の輸入増加が懸念される。検閲対策強化と加工食品・外食チェーンの原産地表示の法的義務化を早急に果たす必要があるのではないだろうか。
(文=成田男/フリーライター)