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●メディアに求められる入念な検証
ただ、今回の事件では「騙された」と被害者然としているメディアが多勢だが、ここまで騒動が広がったのには、佐村河内氏を「現代のベートーベン」と持ち上げてきたメディア全体に責任がある。「週刊文春」(文藝春秋/3月13日号)には、佐村河内氏を好意的に報道してきた「マスコミ共犯者リスト」が掲載されているが、
・NHK:9番組
・朝日新聞:記事32本
・読売新聞:同25本
・毎日新聞:同20本
というありさまだ。とりわけ昨年3月に放送された『NHKスペシャル』や『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)のように大々的に取り上げていた番組もあるが、フジテレビ元アナウンサーの長谷川豊氏は自身のメールマガジンで、佐村河内氏の記者会見に関する一連のメディア報道を受け、「テレビマスコミが言うな」と指摘。「過剰演出なら、マスコミは連日しています。(特番などで)長時間、佐村河内氏に密着していて全聾状態か分からないはずがない。加担していたんですよ。お涙ちょうだいの『佐村河内物語』に」と批判した。さらに、長谷川氏は局アナ時代に報道に携わっていた経験から、「佐村河内氏を持ち上げていたテレビや新聞こそ、真剣に検証すべき」と主張している。
前出の『NHKスペシャル』について検証を行ったNHKは3月16日、情報番組『とっておきサンデー』内で検証結果を報告したが、時間にして約8分間という短いものであった。メディア各社には、入念な検証とその結果報告が求められているといえよう。
(文=横山渉/ジャーナリスト)
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