農協改革提言、どう評価すべき？農業強化を妨げるトライアングル構造を、どう壊すのか

　どの政治家が小泉元首相の役割を担うのか。少なくとも、所管の農水大臣が本気を示さないと話にならない。林芳正農水大臣は、能吏で有望な若手政治家である。外交・安全保障から財政・金融政策まで幅広く政策にも詳しい。山口県出身で、自民党総裁選にも出馬しており、将来の総理候補である。

　農業のトライアングル構造の問題点を指摘するだけなら評論家で十分だ。しかし、それを壊す政治力と新たなシステムを作り出す知力が必要だ。林大臣は両者を併せ持った希有な人物であり、林大臣が本気を出すかどうかに農協改革はかかっている。次世代の国のリーダーを占う意味でも重要だ。
（文＝高橋洋一／政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授）