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混乱の元凶・石原都知事の挑発に乗り、平気で人を使い捨てる民主党

丹羽前中国大使の処遇で内輪モメする伊藤忠と、高笑いの外務省

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 だから丹羽氏の退任は、伊藤忠関係者にとり、肩の荷が下りた面もあったに違いない。ところが事態は、冒頭に触れたように、反日の嵐が予想される事態となった。何もなければともかく、伊藤忠としてはここで火中の栗を拾うことなどできない。火の粉は、自社に及ぶ可能性が大いにあったからである。

 岡藤社長らは、食料品畑出身で丹羽氏の子飼いともいうべき青木芳久専務らの説得にも耳を貸さず、丹羽氏の伊藤忠グループでの受け入れを拒絶、様子見を決め込むことにしたようだと、先の関係者は話す。もっともその関係者も、「丹羽さんという人は、何はともあれけじめをつける人。ひとたび退社した伊藤忠に、なんとか処遇しろと言う人ではない」と語る。

 伊藤忠トップ陣の間で交わされたこの間の丹羽氏処遇問題は、丹羽氏の意思とは関係なく、あくまでも社内における丹羽氏の影響力を物語る一挿話にすぎないかもしれない。

●民主党の「使い捨て人事」体質

 それはともかく、帰国した丹羽氏の処遇はどうなるのか?

 伊藤忠の社長・会長を務め、なおかつ駐中国大使まで務めた大物財界人を、車もなし、秘書もなしでほっぽり出すなど、民主党内閣がいかに使い捨て人事がお得意でも、いささか不人情にすぎると言わざるを得ない。

 今後、仮に民主党政権が続く、あるいはいったん下野の後にいつか再び政権に返り咲くときがあったとしても、それでは誰も協力する人は出てこないだろう。

 そうしたこともあり、大手通信社の元北京特派員は「最終的には、外務省がなんらかの処遇を考えるでしょう」と予測する。「大使は公的な立場ですから、もし元の会社に戻れば、あの人は大使の地位を自分の会社のために利用しただけなのかと見られますし、そのことは外務省も嫌がるでしょうからね。多分、関連の団体の長か何かを用意すると思います」

 仮にそうした形で処遇されたとしても、丹羽氏の胸に去来するのは、日本人の中にある石原的なる思考のために任務を全うできなかったどころか、大混乱を招いたという苦い思いだけではなかろうか?

 国益とは関係なしに、重要ポストをわが手に取り戻した外務官僚だけが高笑いといういつもながらの食えない結末に、この国の末路が示されているのかもしれない。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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