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–主人公に、自身を投影させている部分はありますか?
真山 私は3年で新聞社を辞めているので、主人公の大嶽のような記者になれたかどうかはわかりませんが、少なくとも私の世代にとっては中堅記者の理想像だと思います。ベトナム戦争が子ども頃の記憶として残っている世代は、なんのために記者をやっているのかということを叩き込まれていました。戦地で見た遺体が、たとえ子どものものであっても、ありのままを伝えるために迷わず写真を撮るといった気構えです。
本作は結構記者の方々が読んでくださっていますが、リアクションが皆それぞれ違います。若い人たちの中には「我々への挑戦ですか?」「こんな主人公はありえない」と言う人もいます。私はこの10年間、一貫して“プロ”というものを書こうとしてきました。職業が何であれ、プロであることの最大のポイントは、職責を全うすることです。そこには情や善悪はありません。自分に与えられている使命をどこまで冷徹に果たせるか、それこそが勝ち残っていくプロ中のプロです。仕事をしている時のプロと、オフの時の人間であること、その間で時に悩み、時に苦しむところもしっかりと描きたかったのです。
従って「人として」「記者として」その両方を対立させて描いている部分もありますが、それは必ずしも記者の世界だけに限った話ではありません。
–インターネットの普及によって、記者の仕事のあり方が問われている時代でもあります。
真山 震災の時は、ツイッターが活躍したといわれました。今は“1億総記者”状態ですが、だからこそプロであることが重要なのです。“アマチュア記者”のほとんどは主観を交えて伝えてしまいます。
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