仮想通貨、知らないと「税金でメッチャ損する」注意点&節税法
(2)総平均法
総平均法は、1年間に購入したビットコインの総額から、取得価額を計算する方法です。
総購入金額 300万円 + 400万円 + 80万円 = 780万円
総購入BTC 5BTC + 5BTC + 2BTC=12BTC
780万円 ÷ 12BTC = 65万円/BCT
この取得価額を使って所得を計算すると、計190万円の所得となります。
(480万円 + 360万円 - 65万円 × (6BTC + 4BTC)= 190万円
(1)移動平均法はビットコインの移動の都度取得価額を計算するのに対し、(2)総平均法は年間のビットコイン購入数と購入金額の合計を使い一括で取得価額を計算します。今回の例では(1)の場合、取得価額が高い時点で売却をしたことになるため、(2)よりも所得が低くなりました。これは相場の推移状況によって(1)が有利な場合と(2)が有利な場合があります。しかしながら、(1)(2)の計算方法は年度ごとに変更することはできず、継続的に適用しなければならないルールになっていますので、一度選択するとすぐに別の方法に変更するのは難しいでしょう。
損が出た場合にはどうなるの?
特定の所得で損失が出た場合に、他の所得と損失を相殺する「損益通算」という方法がありますが、雑所得となる仮想通貨の損益については、他の所得との損益通算をすることができません。所得税法上、他の所得と損益通算ができる所得は不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得と限られているからです。雑所得はこれらの所得に該当しませんので、損失が発生したとしても残念ながら他の所得と通算することができないのです。
なお、雑所得内の利益と損失は相殺することは可能ですので、仮想通貨で利益や損失が出た場合、それらを相殺した利益に対して税金が課せられます。また、仮想通貨の損益以外で雑所得に分類される損失があった場合にもそれと相殺することができます。
仮想通貨で何かを購入した時の税金は?
仮想通貨は商品を購入した際の支払いに利用することも可能ですが、この際にも税金がかかる可能性があります。
例えば、1BTCを50万円で購入し、その後60万円の商品購入時に1BTCを支払った場合、50万円/BTCで60万円のものを購入できたということになります。この50万円と60万円の差額10万円は利益として扱われ雑所得とされます。また、ビットコインを他の通貨に換金した際にもその時点で他の通貨時価とビットコインの取得価額の差が所得金額となります。
次の表で取引内容ごとの所得の計算方法をまとめましたので参考にしてください。ビットコインを想定していますが、ビットコイン以外の仮想通貨でも取り扱いは同じです。