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醜い遺産相続争いを絶対に防ぐ「最強の方法」!相続人に多大な利益!

文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会
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(2)認知症になった場合でも財産の管理、処分ができる

 認知症になると、成年後見人が付いていても、成年後見人の役割は被後見人の財産の保全なので、財産の処分は家庭裁判所の許可を得なければならず、簡単にはできません。

 しかし個人信託であれば、委託者が認知症になっても、受託者は財産の管理、運営、処分をすることができます。つまり、委託者が認知症になり、判断能力を失っても裁判所の許可なく、信託目的に従って財産の処分ができます。

(3)相続した不動産が共有になることを防げる

 筆者は調停委員として共有物分割調停事件をよく扱いますが、相続財産が共有になってしまうと、特に不動産の場合、分け方についてなかなか親族間で話がまとまりません。そうすると調停になり、調停でも決まらなければ裁判になり、解決までには時間とお金がかかります。亡くなった方は、争いの種を残さないようにしたいと思っていても、相続人間だけで遺産相続を解決することは難しいようです。

 このような場合に個人信託を使うと、相続財産である不動産を共有にせず、不動産から得られる利益(受益権)を相続人で共有することができます。受託者は相続財産を管理、運営、処分し、相続人は受益者として利益(賃料、売却代金等)を得ることになります。

 このように、“争族”を防ぐためにも信託は役に立ちます。遺言書を書こうと考えている方は、ぜひ個人信託についても検討してみてはいかがでしょうか。
(文=藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会)

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

藤村紀美子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会

(立教大学ドイツ文学科)卒業後研究室で副手を1年務め結婚。女児2人を出産し、下の子が3歳になったときに(中央大学法学部)に学士入学。法律の面白さに惹かれ、卒業後も勉強を続ける。宅建とFP試験に合格(CFP、宅地建物取引士)。その直後夫の赴任に伴いアメリカに約8年居住。帰国後FPとして働き始める。講演、相談、執筆を行う。その間、簡易裁判所、家庭裁判所で調停委員、参与員、司法委員を定年まで勤める。
著書:「100歳まで安心して暮らす生活設計」(共著)、「どっちがお得?定年後のお金」(共著) ‘高齢期のお金を考える会’メンバー。高齢者施設を多数見学し、高齢者施設の種類、内容、注意点、選び方等を勉強する。

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